経費判定 金額から調べる

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カメラ・映写機は5年、
プロジェクターは名指しなし

カメラとプロジェクターの判定表 ― 金額の線は他の備品と同じ。違うのは、プロジェクターが表に名指しされていないことと、本体と周辺の品をどの単位で見るかです。

一文で言うと

会議室のプロジェクターや業務用のカメラは1台ごとの取得価額で判定し、10万円未満なら全額費用、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)なら中小企業者等は少額特例で全額損金にでき、それ以上は通常償却です。通常償却の耐用年数は、カメラが5年(別表第一「4 光学機器及び写真製作機器」の「カメラ、映画撮影機、映写機及び望遠鏡」)。プロジェクターを名指しした一次情報はなく、候補の「映写機」「その他の事務機器」は5年ですが、どちらにも当たらなければ「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」の項末尾(主として金属製のもの15年・その他のもの8年)や「11 前掲のもの以外のもの」の その他のもの(主として金属製のもの10年・その他のもの5年)になりえます。カメラを積んだ空撮専用ドローンも、国税庁の質疑応答事例ではカメラの5年とされています(照会の事実関係が前提)。

金額を入れると、使える処理と行き先が出ます

最終更新 2026-09-24 / 根拠:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一(器具及び備品「2 事務機器及び通信機器」「4 光学機器及び写真製作機器」)・国税庁 質疑応答事例「空撮専用ドローンの耐用年数」・耐用年数の適用等に関する取扱通達1-1-9・法人税基本通達7-1-11・法人税法施行令第54条・地方税法第341条第4号・国税庁タックスアンサーNo.5403

金額で決まること

金額の線の引き方は事務机やパソコンと同じです。違うのは、プロジェクターやカメラはスクリーン・天吊り金具・交換レンズなど周辺の品を一緒に買うことが多く、どこまでを1台として金額を見るかで帯が変わることです。制度の説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、ここではこの品目で起きることだけを並べます。

取得価額(1台あたり) この品目で起きること 初年度に落ちる額 償却資産税
10万円未満 小型のプロジェクターやコンパクトデジタルカメラが入りうる帯。損金経理すれば全額費用(全ての企業)。この帯ならプロジェクターの行を決める必要もない 全額 対象外
損金経理した場合
10万円以上
20万円未満
明るい会議室向けのプロジェクターや一眼カメラが入りうる帯。一括償却資産(3年均等・全ての企業)と、中小企業者等なら少額特例のどちらか。どちらが得かは、各年の損金の出方・償却資産税・除却の扱いで変わる 1/3 または 全額 一括償却なら対象外
少額特例なら対象
20万円以上
40万円未満
業務用の高輝度プロジェクターや空撮用ドローンが入りうる帯。中小企業者等は少額特例で全額損金(30万円以上は令和8年4月1日以後の取得に限る。年300万円まで)。それ以外の法人は通常償却 全額 または 耐用年数に応じて 対象
40万円以上 通常の減価償却。カメラは5年、空撮専用ドローンも国税庁の事例(事実関係が前提)では5年。プロジェクターは名指しがなく、候補の2行は5年だが、項末尾の15年・8年や10年・5年の行になりうる 耐用年数に応じて 対象

※ 取得価額は、購入の代価に購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用を加えた額です(法人税法施行令第54条)。判定は台ごと(通常1単位として取引される単位ごと)に行います(法人税基本通達7-1-11)。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満の全額費用・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
※ 少額特例が使えるのは青色申告の中小企業者等(資本金1億円以下・常時使用する従業員400人以下。令和8年3月31日以前に取得した資産は500人以下で判定)のみです。通算法人・適用除外事業者は使えず、経営強化税制E類型の計画に記載された資産も対象外。損金経理と適用額明細書の添付が要件で、年300万円まで・令和11年3月31日までの制度です。条件は10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ No.5403 と通達7-1-11 の判定単位の記述は、文言上は10万円未満・20万円未満の判定について書かれたものです。少額特例(40万円未満)も1単位ごとに判定するのが一般的な扱いですが、措置法側の一次情報は当サイトでは確認できていません。

耐用年数 ― カメラ・映写機は5年、プロジェクターは名指しなし

通常償却や償却資産の申告で引くのは、耐用年数省令の別表第一「器具及び備品」です。カメラは「4 光学機器及び写真製作機器」のカメラ、映画撮影機、映写機及び望遠鏡の行(5年)に名前があります。同じ項の「引伸機、焼付機、乾燥機、顕微鏡その他の機器」は8年です。名前のない電気機器は、「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品(他の項に掲げるものを除く。)」の項末尾の その他のもの(主として金属製のもの15年・その他のもの8年)や、「11 前掲のもの以外のもの」の その他のもの(主として金属製のもの10年・その他のもの5年)も候補になります。

品目別表第一の区分耐用年数
デジタルカメラ・一眼カメラ・ビデオカメラカメラ、映画撮影機、映写機及び望遠鏡(「4 光学機器及び写真製作機器」)5年
空撮専用ドローン(カメラ付き)カメラ(国税庁の質疑応答事例。人が乗れない無人航空機は「航空機」に当たらず、主たる機能は写真撮影とされた)5年
事例の事実関係が前提
会議室のプロジェクター名指しなし。候補は、映像を投影する機器として「映写機」、会議資料を映す事務用の機器として「2 事務機器及び通信機器」の「その他の事務機器」。どちらにも当たらなければ、「1」の項末尾か「11 前掲のもの以外のもの」の その他のもの断定できない
候補の2行は5年。項1末尾なら15年・8年、11なら10年・5年
プロジェクター用のスクリーン・天吊り金具名指しなし。本体と別に取引・機能するものか、本体と組み合わさって機能する1組かで扱いが変わる断定できない

表に無い品目は、構造・用途・使用状況が類似する品目の年数を、別に定めるものを除き、税務署長(調査課所管法人にあっては国税局長)の確認を受けて適用できるという枠組みがあります(耐用年数通達1-1-9)。プロジェクターを少額特例か通常償却で扱うなら、どの行で置くかを顧問税理士に確認してから固定してください。他の備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめています。

空撮専用ドローンは「航空機」ではなく「カメラ」の5年 ― 国税庁の質疑応答事例

国税庁の質疑応答事例は、建設業の会社が取得した空撮専用ドローン(樹脂製で人が乗れない無人航空機。カメラの着脱は可能)について、別表第一「器具及び備品」の「4 光学機器及び写真製作機器」のカメラに該当し、耐用年数は5年と回答しています。

理由は2つです。別表第一の「航空機」は人が乗って航空の用に供することができる飛行機等と解されるので、人が乗れないドローンは当たらないこと。そして規模・構造・用途を総合的に見ると、主たる機能は写真撮影であることです。カメラの着脱ができても、カメラと移動手段が一体となって空撮という固有の機能を発揮するので、それぞれを独立した資産として年数を判定するのは適当でないとしています。カメラを内蔵したドローンでも、規模・構造・用途が同様なら5年とされています。

この回答は照会の事実関係を前提にした一般的な回答で、具体的な取引に当てはめると異なる課税関係が生じることがあると国税庁自身が注記しています。空撮専用ではないドローンは、この事例の前提から外れます。

判定単位と償却資産税

判定単位は1台ごとです。取得価額の判定は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に行い、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに見ます(国税庁タックスアンサーNo.5403・法人税基本通達7-1-11)。プロジェクターと同時に買ったスクリーンや天吊り金具、カメラと同時に買った交換レンズを、本体と合わせて1組と見るか別々に見るかを名指しした一次情報は確認できていません。なお、空撮専用ドローンの質疑応答事例は、カメラと機体をそれぞれ独立した資産として耐用年数を判定するのは適当でないとしたもので、取得価額の判定単位には触れていません。

償却資産税は、土地・家屋以外の事業に使う有形の減価償却資産が対象です。少額特例で全額損金にしたものと通常償却しているものは、毎年1月1日現在の資産として1月31日までに申告する対象で、申告には耐用年数も書きます(地方税法第383条)。一方、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産は対象外です(地方税法第341条第4号・同法施行令第49条)。

ここで間違える

空撮用ドローンを「航空機」の年数で償却しない

別表第一の「航空機」は、人が乗って航空の用に供することができる飛行機等と解されます。国税庁の質疑応答事例は、人が乗れない空撮専用ドローンを「カメラ」の5年としています。空撮専用であることと、カメラと機体が一体で機能することが前提です。

プロジェクターを「映写機だから5年」と言い切らない

プロジェクターを名指しした一次情報はありません。候補の「映写機」と「その他の事務機器」は5年の行ですが、どちらにも当たらなければ項末尾の その他のもの(15年・8年、または10年・5年)になりえ、当てはめは構造・用途で決まります。少額特例か通常償却で扱うなら、どの行で置いたかを記録し、顧問税理士に確認してください。

天吊り金具などを別の請求にしても、10万円未満になるとは限らない

判定は1個・1組・1そろいごとです(法人税基本通達7-1-11)。本体に取り付けて一緒に機能する天吊り金具のような品は、請求書の行を分けても、本体と1組で判定される余地があります。単独でも取引・使用される交換レンズやスクリーンを別に見るかも含め、どこまでを1組と見るかは名指しがないので、顧問税理士に確認してください。

金額の帯ごとに探す

同じ「映す・撮る」機器でも、プロジェクター・カメラ・ドローンで帯が変わります。周辺の品を一緒に買うときは、合計で帯を当てはめるかどうかを先に決めてください。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。

帯に合わせて絞り込む
いつ・何を・いくらで買ったかを残す

判定は台ごと、償却資産の申告は資産ごとです。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が会社名義で一元化され、見積書の発行や請求書払いも使えます。プロジェクターやカメラは会議室や現場ごとに増えていくので、本体と一緒に買った周辺の品も含めて、どの組み合わせで買ったかを残しておくと、判定単位の根拠を後から示せます。

※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元・出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。

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出典

この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 プロジェクター・スクリーンの耐用年数と判定単位は、別表第一と通達に名指しがなく、状況によって結論が変わります。空撮専用ドローンの扱いは、国税庁の質疑応答事例の事実関係を前提にしたものです。「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という区分は、令和8年3月31日法律第12号の附則第1条(令和8年4月1日から施行)と附則第65条(施行日以後に取得した少額減価償却資産に新法を適用し、施行日前の取得は従前の例による)で確認しました。3月末をまたぐ取得は特に注意してください。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。

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