経費判定舎 金額から調べる

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40万円以上の事務机と事務用パソコンには
即時償却の道がない

中小企業経営強化税制が届かない範囲 ― 40万円という同じ数字が、2つの制度で逆向きに使われています。

一文で言うと

中小企業経営強化税制の対象は生産等設備を構成する資産に限られ、事務用器具備品・本店や寄宿舎等の建物・乗用自動車・福利厚生施設は対象外です。事務机やオフィスのパソコン・複合機は事務用器具備品に当たるため、40万円以上になると即時償却の道はなく、通常の減価償却だけが残ります。

金額を入れると、使える処理と行き先が出ます
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令和8年度改正で、少額特例は 40万円未満、経営強化税制の工具・器具備品は 40万円以上 と、 同じ数字で線が引かれました。ここだけ見ると「40万円で制度が入れ替わる」ように読めます。
入れ替わりません。経営強化税制の対象は生産等設備を構成する資産に限られ、 事務用器具備品・本店・寄宿舎等の建物・乗用自動車・福利厚生施設は対象外です。 事務机もオフィスのパソコンも複合機も、ここに当たります。
つまり事務用の備品は、40万円以上になった時点で通常の減価償却しか残りません。

最終更新 2026-09-28 / 根拠:租税特別措置法第42条の12の4・同施行令第27条の12の4・国税庁 No.5434

まず「生産等設備か」を判定する

資産生産等設備か経営強化税制
生産活動・販売活動・役務提供活動の用に
直接供される資産
該当する 金額・類型の要件を満たせば使える
事務用器具備品
事務机、オフィスのパソコン、複合機など
該当しない 使えない
本店・寄宿舎等の建物該当しない使えない
乗用自動車該当しない使えない
福利厚生施設該当しない使えない

取得価額から引く(事務用の器具備品の場合)

取得価額中小企業者等それ以外の法人
10万円未満全額損金(損金経理)/一括償却資産/通常償却全額損金(損金経理)/一括償却資産/通常償却
10万円以上
20万円未満
一括償却資産/少額特例/通常償却一括償却資産/通常償却
20万円以上
40万円未満
少額特例/通常償却通常償却のみ
40万円以上通常償却のみ通常償却のみ

※ 40万円以上でも経営強化税制を使えないのが、事務用器具備品の特徴です。 通常償却になったあとの年数は耐用年数表を参照してください。

生産等設備に当たる場合の規模要件

設備の種類A・B・D類型E類型
機械および装置1台または1基 160万円以上1台または1基 160万円以上
工具、器具および備品40万円以上
30万円 → 40万円
40万円以上
30万円 → 40万円
建物・建物附属設備建物附属設備 60万円以上建物およびその附属設備の
取得価額の合計 1,000万円以上
ソフトウエア70万円以上70万円以上
類型内容優遇
A(生産性向上設備)工業会等の証明書。工具は測定工具・検査工具に限られ、器具備品は販売開始からの年数要件がある即時償却 または
税額控除 7%
(特定中小企業者等は 10%)
B(収益力強化設備)投資利益率の要件。経済産業大臣の確認書
D(経営資源集約化設備)事業承継等に係る設備。経済産業大臣の確認書
E(経営規模拡大設備)経済産業大臣の確認書。E類型の資産を載せた計画の認定を受けると、計画にその記載がある間は、会社として、E類型以外の資産も含めて少額特例が使えない(下の項) 機械装置等の率はA・B・Dと同じ(ただし、給与の増加目標を達成したことを確かめられる書類の添付が要り、1つの生産等設備で合計60億円を超える場合は、60億円を上限に按分)。建物およびその附属設備は特別償却15%(一定の場合25%)/税額控除1%(同2%)
C(デジタル化設備)令和7年4月1日に廃止―

※ 税額控除には調整前法人税額の20%という上限があり(中小企業投資促進税制と合計)、控除しきれない額は1年間繰り越せます。 娯楽業(映画業を除く)など指定事業以外は対象外で、貸付用資産・コインランドリー業・暗号資産マイニング業も除かれます。

ここで間違える

「40万円以上なら経営強化税制」ではない

40万円以上という規模要件を満たしても、その資産が生産等設備を構成していなければ対象外です。 国税庁は生産等設備を「生産活動、販売活動、役務提供活動その他収益を稼得するために行う活動の用に 直接供される減価償却資産で構成されているもの」と定義し、 本店・寄宿舎等の建物、事務用器具備品、乗用自動車、福利厚生施設は該当しない、と明記しています。 バックオフィスが発注するものの多くは、この除外側に入ります。

買ったあとでも、60日以内なら間に合うことがある

原則は取得前の計画認定ですが、例外があります。 計画を申請する前に設備を取得した場合、申請書の到達日から遡って60日以内に取得したものであり、 かつ取得して事業の用に供した事業年度内に認定を受ければ適用できます。 ただしD類型とE類型は、この例外を使えません。 先に発注してしまっても、A・B類型なら諦める前に確認する価値があります。

A類型の「工具」は測定工具・検査工具に限られる

規模要件の表には「工具、器具および備品 40万円以上」とありますが、 A類型では工具が測定工具および検査工具に限定され、器具備品にも販売開始からの年数要件があります。 一般的な電動工具を買って「40万円以上だから対象」とはなりません。類型ごとの要件を先に見てください。

E類型の資産を載せた計画の認定を受けると、計画にその記載がある間は少額特例そのものが使えない

経営強化税制で、E類型の資産を記載した経営力向上計画の認定(特定認定)を受けた中小企業者等は、 少額減価償却資産の特例の対象から外れます。 外れるのは計画に載せた資産だけではなく、その会社の少額特例そのものです(租税特別措置法67条の5第1項の括弧書きは、除く対象を資産ではなく中小企業者等として定めています)。 中小企業庁は「E類型の投資計画の期間中は本措置の適用を受けることはできません」と説明しています。 同庁のE類型の手引きは、認定を受けた計画にE類型の設備等が記載されている企業は少額特例を受けられないとしています。そのうえで、E類型の計画について提出する給与増加割合(給与の伸び)の報告書で目標を達成できなかった場合と、税制措置を受けなかった場合の2つについて、経営力向上計画の変更申請でE類型に関する記載を全て削除すれば、その変更の認定を受けた後は少額特例を活用できると案内しています。ただし、どちらの場合も、目標を達成した報告書を出したことのある経営力向上計画は、E類型の記載を削除する変更申請ができないとしています。 40万円未満の備品をまとめて費用にする前提があるなら、E類型の計画を進める前に、 外れる期間の数え方も含めて顧問税理士に確認してください。

国税庁のページは、まだ30万円のまま

2026年9月24日時点で、国税庁タックスアンサー No.5434(経営強化税制)も No.5408(少額特例)も、 改正前の30万円で表示されています。金額は財務省の令和8年度税制改正の大綱と、 e-Gov の現行条文で確認してください。この記事の出典欄に並べてあります。

事務用の備品は、40万円未満に収まるかどうかが分かれ目

上のとおり、事務用器具備品には経営強化税制の道がありません。 40万円未満で少額特例を使えるかどうかが、実質的に唯一の分岐になります。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してください。

事務用器具備品にあたるもの
生産等設備に当たりうるもの
  • 測定機器・検査機器 生産・検査の工程で直接使うもの。A類型の工具はこの範囲に限られる
  • 生産用の機械装置 機械装置は160万円以上が規模要件。ここは経営強化税制の本来の対象(経営力向上計画の認定と、類型ごとの証明書等が必要)
取得日を記録として残しておく

60日の例外を使うにも、取得日と事業供用日が要ります。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が一元化され、見積書を発行でき、請求書払い(招待制・審査あり)の対象にもなりえます。いつ発注していつ届いたかが残るのが、この制度では効きます。

※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元がAmazon.co.jpか、出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。

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出典

この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の設備について税務上の判断を示すものではありません。 生産等設備に当たるか、指定事業に当たるか、類型ごとの要件を満たすか、計画認定が間に合うかは、状況によって結論が変わります。 実際の会計処理・税務申告および計画申請は、必ず顧問税理士・認定支援機関にご確認ください。

次に見る判定表

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