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空気清浄機・加湿器は
表に名前がない
空気清浄機と加湿器の判定表 ― 金額の線は他の備品と同じ。違うのは、耐用年数表に名前がなく、候補の行で年数が6年から15年まで開くことです。
事務所の空気清浄機・加湿器は1台ごとの取得価額で判定し、10万円未満なら全額費用、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)なら中小企業者等は少額特例で全額損金にでき、それ以上は通常償却です。通常償却の耐用年数は、別表第一に空気清浄機・加湿器の名前がなく、名指しした一次情報も確認できていません。候補は「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」の「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器」(6年)、暖房や冷房の機能を併せ持つものは「冷房用又は暖房用機器」(6年)も候補、どちらにも当たらなければ同じ項の末尾の「その他のもの」(主として金属製のもの15年・その他のもの8年)です。10万円未満で損金経理すれば、年数を決めずに全額費用にできます。
金額で決まること
金額の線の引き方は事務机やパソコンと同じです。違うのは、空気清浄機・加湿器は耐用年数表に名前がなく、資産計上すると年数の行を決める手間が出ることです。10万円未満で損金経理するなら、その手間がありません。制度の説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、ここではこの品目で起きることだけを並べます。
| 取得価額(1台あたり) | この品目で起きること | 初年度に落ちる額 | 償却資産税 |
|---|---|---|---|
| 10万円未満 | 事務所向けの空気清浄機・加湿器が入りうる帯。損金経理すれば全額費用(全ての企業)。この帯なら、どの行に当たるかを決める必要がない | 全額 | 対象外 損金経理した場合 |
| 10万円以上 20万円未満 |
広いフロア向けや業務用の空気清浄機が入りうる帯。一括償却資産(3年均等・全ての企業)と、中小企業者等なら少額特例のどちらか。どちらが得かは、各年の損金の出方・償却資産税・除却の扱いで変わる | 1/3 または 全額 | 一括償却なら対象外 少額特例なら対象 |
| 20万円以上 40万円未満 |
大型の業務用機器が入りうる帯。中小企業者等は少額特例で全額損金(30万円以上は令和8年4月1日以後の取得に限る。年300万円まで)。それ以外の法人は通常償却。どちらでも償却資産の申告に耐用年数が要るので、年数の行を決める必要がある | 全額 または 耐用年数に応じて | 対象 |
| 40万円以上 | 通常の減価償却。名指しがないので、候補の6年、または項末尾の15年・8年から行を決める。建物に組み込んだ換気・加湿の設備は建物附属設備が候補 | 耐用年数に応じて | 対象 |
※ 取得価額は、購入の代価に購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用を加えた額です(法人税法施行令第54条)。判定は台ごと(通常1単位として取引される単位ごと)に行います(法人税基本通達7-1-11)。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満の全額費用・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
※ 少額特例が使えるのは青色申告の中小企業者等(資本金1億円以下・常時使用する従業員400人以下。令和8年3月31日以前に取得した資産は500人以下で判定)のみです。通算法人・適用除外事業者は使えず、経営強化税制E類型の計画に記載された資産も対象外。損金経理と適用額明細書の添付が要件で、年300万円まで・令和11年3月31日までの制度です。条件は10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ No.5403 と通達7-1-11 の判定単位の記述は、文言上は10万円未満・20万円未満の判定について書かれたものです。少額特例(40万円未満)も1単位ごとに判定するのが一般的な扱いですが、措置法側の一次情報は当サイトでは確認できていません。
耐用年数 ― 表に名前がなく、候補は6年の行か項末尾の15年・8年
据え置きの機器として引くなら、別表第一「器具及び備品」の「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」です。空気清浄機・加湿器の名前はこの項にも他の項にもなく、名指しした一次情報も確認できていません。建物に組み込んだ設備は、建物附属設備が候補になります。候補になる行を並べます。
| 品目 | 別表第一の区分 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 据え置きの空気清浄機・加湿器 | 名指しなし。候補は「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器」 | 断定できない この行なら6年 |
| 暖房・冷房の機能を併せ持つもの(ヒーター付きの加湿空気清浄機など) | 名指しなし。「冷房用又は暖房用機器」も候補。通達2-7-4 は、いわゆるウインドータイプのルームクーラー又はエアーコンディショナー、電気ストーブ等をこの行としている | 断定できない この行なら6年 |
| 上のどちらにも当たらないと判断した場合 | 「1」の項末尾の その他のもの(金属製かどうかは、フレームその他の主要構造部分の材質で判定。通達2-7-2) | 主として金属製のもの 15年 その他のもの 8年 |
| 天井に組み込んだ換気・加湿の設備 | 名指しなし。建物附属設備の「冷房、暖房、通風又はボイラー設備」が候補。細目は「冷暖房設備(冷凍機の出力が22kW以下のもの)」13年と「その他のもの」15年 | 断定できない 冷凍機を持たない設備なら「その他のもの」15年 |
表に無い品目は、構造・用途・使用状況が類似する品目の年数を、別に定めるものを除き、税務署長(調査課所管法人にあっては国税局長)の確認を受けて適用できるという枠組みがあります(耐用年数通達1-1-9)。少額特例か通常償却で扱うなら、どの行で置くかを顧問税理士に確認してから固定してください。エアコンとの分かれ目はエアコンの判定表にまとめています。
判定単位と償却資産税
判定単位は1台ごとです。取得価額の判定は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に行い、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに見ます(国税庁タックスアンサーNo.5403・法人税基本通達7-1-11)。フロアごとに何台か同時に買っても、1台ずつ機能するので1台ずつです。本体と一緒に買った予備の交換フィルターを本体の取得価額に含めるかは、名指しした一次情報を確認できていないので、請求書で本体と予備品を分けて記録しておいてください。
償却資産税は、土地・家屋以外の事業に使う有形の減価償却資産が対象です(家屋の評価に含まれるものを除く)。少額特例で全額損金にしたものと通常償却しているものは、毎年1月1日現在の資産として1月31日までに申告する対象で、申告には耐用年数も書きます(地方税法第383条)。一方、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産は対象外です(地方税法第341条第4号・同法施行令第49条)。天井に組み込んだ換気・加湿の設備が家屋の評価に含まれるかは、当サイトでは一次情報を確認できていないので、所在の市町村に確認してください。
ここで間違える
空気清浄機を「エアコンと同じ6年」と言い切らない
エアコンのうちウインドータイプは、通達2-7-4 が「冷房用又は暖房用機器」(6年)と名指ししています。空気清浄機・加湿器には、こうした名指しがありません。据え置きの機器の候補3行のうち2行は6年ですが、どちらにも当たらなければ項末尾の15年・8年です。少額特例か通常償却で扱うなら、どの行で置いたかを記録し、顧問税理士に確認してください。
10万円未満なら、年数の行を決めずに全額費用にできる
10万円未満の減価償却資産は、損金経理すれば全額費用になり(国税庁タックスアンサーNo.5403)、償却資産税の対象からも外れます(地方税法施行令第49条)。この帯の空気清浄機・加湿器なら、名前のない耐用年数の行を決める必要がありません。
あとから買い足す交換フィルター・除菌剤は、本体の取得価額に入れない
本体を使い始めたあとに買い足す交換フィルターや、加湿器に入れる除菌剤は、本体を事業の用に供するために直接要した費用ではないので、本体の取得価額(法人税法施行令第54条)には入れず、本体の金額の線とは別に処理します。本体と同時に買った予備のフィルターを本体の取得価額に含めるかは、一次情報を確認できていません。まとめ買いしたときの期末の扱いは消耗品と貯蔵品の判定表で扱っています。
金額の帯ごとに探す
同じ空気清浄機でも、事務所向けと業務用の大型機で帯が変わります。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。
- 空気清浄機(10万円未満に絞り込み) 10万円未満で損金経理すれば全額費用。名前のない耐用年数の行を決めずに済む
- 加湿器(10万円未満に絞り込み) 同じく10万円未満なら全額費用。あとから買い足す交換フィルターや除菌剤は、本体の取得価額に入れない
- 業務用の空気清浄機(20万円未満に絞り込み) 10万円以上なら一括償却資産か、中小企業者等なら少額特例の選択。少額特例や通常償却にするなら、償却資産の申告に耐用年数が要るので年数の行を先に決める
判定は台ごと、償却資産の申告は資産ごとです。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が会社名義で一元化され、見積書の発行や請求書払いも使えます。空気清浄機・加湿器はフロアや部屋ごとに増えていき、交換フィルターも定期的に買うので、本体と交換フィルターなどを分けて購買記録に残しておくと、決算のときの仕分けが楽になります。
※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元・出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。
出典
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索) ― 別表第一 器具及び備品「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」の 冷房用又は暖房用機器=6年/電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器=6年/項末尾の その他のもの(主として金属製のもの15年・その他のもの8年)、建物附属設備「冷房、暖房、通風又はボイラー設備」(冷暖房設備(冷凍機の出力が22kW以下のもの)13年・その他のもの15年)。空気清浄機・加湿器の行が無いこと
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 2-7-2・2-7-4(国税庁) ― 「主として金属製のもの」かどうかは、耐用年数に最も影響があると認められるフレームその他の主要構造部分の材質で判定する(2-7-2)。「冷房用又は暖房用機器」には、いわゆるウインドータイプのルームクーラー又はエアーコンディショナー、電気ストーブ等が該当する(2-7-4)
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 2-2-4(国税庁) ― 「冷暖房設備(冷凍機の出力が22キロワット以下のもの)」には冷暖房共用のもののほか冷房専用のものも含まれ、「冷凍機の出力」とは冷凍機に直結する電動機の出力をいう
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 1-1-9(国税庁) ― 細目が特掲されていない器具備品は、構造・用途・使用状況が類似する特掲品目の年数を、別に定めるものを除き、税務署長(調査課所管法人にあっては国税局長)の確認を受けて適用できる
- 法人税基本通達 7-1-11(国税庁) ― 取得価額は通常1単位として取引される単位ごと、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに判定
- 法人税法施行令 第54条(e-Gov法令検索) ― 購入した減価償却資産の取得価額は、購入の代価(引取運賃・購入手数料その他購入のために要した費用を加算)と、事業の用に供するために直接要した費用の合計
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 ― 10万円未満の少額の減価償却資産(損金経理)、20万円未満の一括償却資産(3年)、貸付用資産の除外
- 租税特別措置法 第67条の5(e-Gov法令検索) ― 少額減価償却資産の特例。40万円未満、年300万円、損金経理要件、令和11年3月31日まで
- 令和8年度税制改正の大綱 三(財務省) ― 取得価額40万円未満への引き上げと中小企業者等の範囲(従業員400人以下)
- 租税特別措置法施行令 第39条の28・令和8年政令第98号附則第20条(e-Gov法令検索) ― 中小企業者等は常時使用する従業員400人以下(改正前は500人以下)。令和8年4月1日前に取得した少額減価償却資産は、なお従前の例(500人以下)による
- 地方税法(e-Gov法令検索) ― 第341条第4号(償却資産の定義)、第383条(毎年1月1日現在の資産を1月31日までに申告)
- 地方税法施行令(e-Gov法令検索) ― 第49条(損金経理した10万円未満の資産と一括償却資産を償却資産から除外)
この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 空気清浄機・加湿器の耐用年数は別表第一と通達に名指しがなく、構造・用途による当てはめの結論は状況によって変わります。「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という区分は、令和8年3月31日法律第12号の附則第1条(令和8年4月1日から施行)と附則第65条(施行日以後に取得した少額減価償却資産に新法を適用し、施行日前の取得は従前の例による)で確認しました。3月末をまたぐ取得は特に注意してください。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。
次に見る判定表
- 事務所のエアコンは6年・13年・15年のどれか ― 器具備品と建物附属設備の分かれ目と、工事費込みの10万円判定エアコンの耐用年数は、器具及び備品の「冷房用又は暖房用機器」なら6年、建物附属設備の冷暖房設備なら冷凍機の出力22kW以下で13年、それ以外は15年。ウインドータイプは6年、ダクトで広範囲を冷房するパッケージ型は建物附属設備と通達にあり、壁掛けのルームエアコンを名指しした一次情報はありません。取付工事費は取得価額に入るので、10万・20万・40万の線は工事費込みで見ます。
- オフィスの冷蔵庫は6年、電子レンジは表に名前がない ― 給湯室の家電の判定表電気冷蔵庫の耐用年数は別表第一で6年。電子レンジとウォーターサーバーは表に直接の記載がなく、当てはめで決めます。10万・20万・40万の金額の線、判定単位、償却資産税、レンタルなら費用になる点まで1枚に。
- まとめ買いした文具は期末に資産へ戻るのか ― 消耗品費と貯蔵品の判定表期末の未使用分は原則として貯蔵品です。ただし毎年おおむね一定数量を取得して経常的に消費するものは、継続適用を条件に買った期の損金にできます。