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オフィスの冷蔵庫は6年、
電子レンジは表に名前がない

給湯室の家電の判定表 ― 金額の線は他の備品と同じ。違うのは耐用年数の引き方と、レンタルという選択肢があることです。

一文で言うと

オフィスの冷蔵庫・電子レンジ・ウォーターサーバーは器具備品で、1台ごとに10万円未満なら全額費用、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)なら中小企業者等は少額特例で全額損金にでき、それ以上は通常償却になります。通常償却の耐用年数は、電気冷蔵庫が別表第一で6年。電子レンジとウォーターサーバーは表に直接の記載がなく、構造・用途で当てはめます。ウォーターサーバーをレンタルで使うなら機器は自社の資産ではなく、利用料はその期の費用です。

金額を入れると、使える処理と行き先が出ます

最終更新 2026-09-05 / 根拠:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一(器具及び備品「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」)・法人税基本通達7-1-11・耐用年数の適用等に関する取扱通達1-1-9・地方税法第341条第4号・国税庁タックスアンサーNo.5403/No.5702

金額で決まること

金額の線の引き方は事務机やパソコンと同じで、違うのは10万円未満に収まるものが多いことです。 制度の説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、ここではこの品目で起きることだけを並べます。

取得価額(1台あたり) この品目で起きること 初年度に落ちる額 償却資産税
10万円未満 小型冷蔵庫・単機能の電子レンジ・卓上のウォーターサーバーの多くはここ。損金経理すれば消耗品費などで全額費用(全ての企業) 全額 対象外
損金経理した場合
10万円以上
20万円未満
中型の冷蔵庫や過熱水蒸気式のオーブンレンジが入る帯。一括償却資産(3年均等・全ての企業)と、中小企業者等なら少額特例のどちらか。どちらが得かは償却資産税と除却の扱いで決まる 1/3 または 全額 一括償却なら対象外
少額特例なら対象
20万円以上
40万円未満
業務用の大型冷蔵庫の帯。中小企業者等は少額特例で全額損金(令和8年4月1日以後の取得。年300万円まで)。それ以外の法人は通常償却 全額 または 耐用年数に応じて 対象
40万円以上 通常の減価償却のみ。電気冷蔵庫なら耐用年数6年。事務用の器具備品は経営強化税制の対象にならないので、即時償却の道はない 耐用年数に応じて 対象

※ 取得価額の判定は、1台ごと(通常1単位として取引される単位ごと)に行います。冷蔵庫と電子レンジを同時に買っても合算しません。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満の全額費用・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
※ 少額特例が使えるのは青色申告の中小企業者等(資本金1億円以下・常時使用する従業員400人以下)のみです。通算法人・適用除外事業者は使えず、経営強化税制E類型の計画に記載された資産も対象外。損金経理と適用額明細書の添付が要件で、年300万円まで・令和11年3月31日までの制度です。条件は10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ No.5403 と通達7-1-11 の判定単位の記述は、文言上は10万円未満・20万円未満の判定について書かれたものです。少額特例(40万円未満)も1単位ごとに判定するのが一般的な扱いですが、措置法側の一次情報は当サイトでは確認できていません。

耐用年数 ― 冷蔵庫は6年、電子レンジとウォーターサーバーは表に無い

通常償却や償却資産の申告で引くのは、耐用年数省令の別表第一「器具及び備品」の「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」です。 この項には冷蔵庫の行が2つあり、電子レンジとウォーターサーバーの行はありません

品目別表第一の区分耐用年数
オフィスの冷蔵庫(電気式)電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器6年
氷で冷やす冷蔵庫・冷蔵ストッカー氷冷蔵庫及び冷蔵ストッカー(電気式のものを除く。)4年
店舗の冷蔵ショーケース陳列だな及び陳列ケース(冷凍機付又は冷蔵機付のもの)6年
電子レンジ直接の記載なし。当てはめの候補は、①「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器」、②「食事又はちゆう房用品」の「その他のもの」(給湯室・厨房に置く場合)、③同じ項の末尾にある独立した区分「その他のもの」(主として金属製のもの/その他のもの)断定できない
①なら6年、②なら5年、③なら15年/8年
ウォーターサーバー(買い切り)直接の記載なし。候補は電子レンジと同じ①②③断定できない
①なら6年、②なら5年、③なら15年/8年

表に無い品目は、構造・用途・使用状況が類似する品目の年数を、別に定めるものを除き、税務署長(調査課所管法人にあっては国税局長)の確認を受けて適用できるという枠組みがあります(耐用年数通達1-1-9)。 電子レンジを「電気冷蔵庫に類する電気機器」と読むか、「食事又はちゆう房用品」に置くか、末尾の「その他のもの」に置くかで6年・5年・15年に分かれるので、 当てはめの結論は顧問税理士に確認してから固定してください。他の備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめています。

ウォーターサーバーはレンタルなら費用

ウォーターサーバーの多くは、機器をレンタルして水を定期購入する形です。レンタルなら機器は貸主の資産で、 支払う利用料はその期の費用。金額の線も耐用年数も償却資産税も出てきません。 この記事の判定表に乗るのは、買い切りで自社の資産になる場合だけです。

ただし「レンタル」と書かれていても、リース期間中の中途解約が禁止され(または解約時に未経過期間のリース料のおおむね全部を支払う定めがあり)、 かつ借りた側が経済的な利益を実質的に享受し、費用を実質的に負担する契約は、法人税法上のリース取引に当たり、 引渡しの時にその資産の売買があったものとして扱われます(国税庁 No.5702)。 月々の支払いの名目ではなく、契約書の解約条項で見分けます。

本体をどう処理するかとは別に、中に入れる水や飲料・食事をどう扱うかは福利厚生・給与課税の論点です。 従業員に出す食事は、令和8年4月1日以後に支給する食事から、月7,500円と半額負担の基準で給与課税かどうかが決まります(それ以前に支給する食事は月3,500円)。こちらは 食事の現物支給の判定表で、来客用の飲料・茶菓は会議費・交際費の判定表で扱っています。

判定単位と償却資産税

判定単位は1台ごとです。取得価額の判定は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に行い、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに見ます(法人税基本通達7-1-11)。 応接セットのようにテーブルと椅子が1組で取引されるものは組で判定しますが、冷蔵庫と電子レンジは別々に機能するので、 同じ日にまとめて買っても1台ずつです。

償却資産税は、資産計上したものが対象です。冷蔵庫・電子レンジ・ウォーターサーバーはいずれも有形の器具備品なので、 少額特例で全額損金にしたものと通常償却しているものは、毎年1月1日現在の資産として1月31日までに申告する対象になります。 一方、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産は対象外です(地方税法第341条第4号・同法施行令第49条)。 10万〜20万円の帯で一括償却資産を選ぶ理由の一つがここにあります。

ここで間違える

「冷蔵庫は4年」と出てきたら、それは氷冷蔵庫の行

別表第一には冷蔵庫の行が2つあります。電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器が6年氷冷蔵庫及び冷蔵ストッカー(電気式のものを除く。)が4年です。オフィスに置くのは電気式なので6年の行です。 検索結果や要約ツールが「4年」と返すことがありますが、それは電気式を除いた行を拾っています。原文の行で確かめてください。

冷蔵庫の処理と、中に入れる飲料・食事の処理は別の論点

本体は器具備品で、金額の線と耐用年数で処理が決まります。一方、従業員に出す食事や飲料は 給与課税か福利厚生費かという別の基準で判定します。本体を備品として正しく処理しても、 中身の扱いを間違えれば給与課税の問題が残ります。月7,500円と半額負担の判定表を合わせて見てください。

レンタルとリースは別。中途解約できない契約は売買として扱われることがある

利用料を払っている=費用、とは限りません。中途解約が禁止され、かつ借りた側が実質的に利益を享受し費用を負担する契約は、 法人税法上のリース取引として資産の売買があったものと扱われます。契約書に最低利用期間と解約金の定めがあるなら、 処理を決める前に顧問税理士に契約書を見せてください。

金額の帯ごとに探す

同じ「オフィスの冷蔵庫」でも、小型は10万円未満、業務用の大型は20万〜40万円の帯に入ります。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。

帯に合わせて絞り込む
1台ずつの取得価額を、後から追える形で残す

判定は1台ごと、償却資産の申告は資産ごとです。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が会社名義で一元化され、見積書の発行や請求書払いも使えます。給湯室の家電のように 少額でも台数が増えるものは、いつ・何を・いくらで買ったかが残っているだけで申告の手間が減ります。

※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは 支払方法によって扱いが異なるため、経理処理の前に自社の要件で確認してください。

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出典

この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 電子レンジ・ウォーターサーバーの耐用年数は別表第一に直接の記載がなく、構造・用途による当てはめの結論は状況によって変わります。 レンタル契約が法人税法上のリース取引に当たるかどうかも、契約内容によって結論が変わります。 また「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という取得時期の区分は改正法の附則によるもので、当サイトではその原文を確認できていません。3月末をまたぐ取得は特に注意してください。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。