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オフィスの冷蔵庫は6年、
電子レンジは表に名前がない
給湯室の家電の判定表 ― 金額の線は他の備品と同じ。違うのは耐用年数の引き方と、レンタルという選択肢があることです。
オフィスの冷蔵庫・電子レンジ・ウォーターサーバーは器具備品で、1台ごとに10万円未満なら全額費用、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)なら中小企業者等は少額特例で全額損金にでき、それ以上は通常償却になります。通常償却の耐用年数は、電気冷蔵庫が別表第一で6年。電子レンジとウォーターサーバーは表に直接の記載がなく、構造・用途で当てはめます。ウォーターサーバーをレンタルで使うなら機器は自社の資産ではなく、利用料はその期の費用です。
金額で決まること
金額の線の引き方は事務机やパソコンと同じで、違うのは10万円未満に収まるものが多いことです。 制度の説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、ここではこの品目で起きることだけを並べます。
| 取得価額(1台あたり) | この品目で起きること | 初年度に落ちる額 | 償却資産税 |
|---|---|---|---|
| 10万円未満 | 小型冷蔵庫・単機能の電子レンジ・卓上のウォーターサーバーの多くはここ。損金経理すれば消耗品費などで全額費用(全ての企業) | 全額 | 対象外 損金経理した場合 |
| 10万円以上 20万円未満 |
中型の冷蔵庫や過熱水蒸気式のオーブンレンジが入る帯。一括償却資産(3年均等・全ての企業)と、中小企業者等なら少額特例のどちらか。どちらが得かは償却資産税と除却の扱いで決まる | 1/3 または 全額 | 一括償却なら対象外 少額特例なら対象 |
| 20万円以上 40万円未満 |
業務用の大型冷蔵庫の帯。中小企業者等は少額特例で全額損金(令和8年4月1日以後の取得。年300万円まで)。それ以外の法人は通常償却 | 全額 または 耐用年数に応じて | 対象 |
| 40万円以上 | 通常の減価償却のみ。電気冷蔵庫なら耐用年数6年。事務用の器具備品は経営強化税制の対象にならないので、即時償却の道はない | 耐用年数に応じて | 対象 |
※ 取得価額の判定は、1台ごと(通常1単位として取引される単位ごと)に行います。冷蔵庫と電子レンジを同時に買っても合算しません。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満の全額費用・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
※ 少額特例が使えるのは青色申告の中小企業者等(資本金1億円以下・常時使用する従業員400人以下)のみです。通算法人・適用除外事業者は使えず、経営強化税制E類型の計画に記載された資産も対象外。損金経理と適用額明細書の添付が要件で、年300万円まで・令和11年3月31日までの制度です。条件は10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ No.5403 と通達7-1-11 の判定単位の記述は、文言上は10万円未満・20万円未満の判定について書かれたものです。少額特例(40万円未満)も1単位ごとに判定するのが一般的な扱いですが、措置法側の一次情報は当サイトでは確認できていません。
耐用年数 ― 冷蔵庫は6年、電子レンジとウォーターサーバーは表に無い
通常償却や償却資産の申告で引くのは、耐用年数省令の別表第一「器具及び備品」の「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」です。 この項には冷蔵庫の行が2つあり、電子レンジとウォーターサーバーの行はありません。
| 品目 | 別表第一の区分 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| オフィスの冷蔵庫(電気式) | 電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器 | 6年 |
| 氷で冷やす冷蔵庫・冷蔵ストッカー | 氷冷蔵庫及び冷蔵ストッカー(電気式のものを除く。) | 4年 |
| 店舗の冷蔵ショーケース | 陳列だな及び陳列ケース(冷凍機付又は冷蔵機付のもの) | 6年 |
| 電子レンジ | 直接の記載なし。当てはめの候補は、①「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器」、②「食事又はちゆう房用品」の「その他のもの」(給湯室・厨房に置く場合)、③同じ項の末尾にある独立した区分「その他のもの」(主として金属製のもの/その他のもの) | 断定できない ①なら6年、②なら5年、③なら15年/8年 |
| ウォーターサーバー(買い切り) | 直接の記載なし。候補は電子レンジと同じ①②③ | 断定できない ①なら6年、②なら5年、③なら15年/8年 |
表に無い品目は、構造・用途・使用状況が類似する品目の年数を、別に定めるものを除き、税務署長(調査課所管法人にあっては国税局長)の確認を受けて適用できるという枠組みがあります(耐用年数通達1-1-9)。 電子レンジを「電気冷蔵庫に類する電気機器」と読むか、「食事又はちゆう房用品」に置くか、末尾の「その他のもの」に置くかで6年・5年・15年に分かれるので、 当てはめの結論は顧問税理士に確認してから固定してください。他の備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめています。
ウォーターサーバーはレンタルなら費用
ウォーターサーバーの多くは、機器をレンタルして水を定期購入する形です。レンタルなら機器は貸主の資産で、 支払う利用料はその期の費用。金額の線も耐用年数も償却資産税も出てきません。 この記事の判定表に乗るのは、買い切りで自社の資産になる場合だけです。
ただし「レンタル」と書かれていても、リース期間中の中途解約が禁止され(または解約時に未経過期間のリース料のおおむね全部を支払う定めがあり)、 かつ借りた側が経済的な利益を実質的に享受し、費用を実質的に負担する契約は、法人税法上のリース取引に当たり、 引渡しの時にその資産の売買があったものとして扱われます(国税庁 No.5702)。 月々の支払いの名目ではなく、契約書の解約条項で見分けます。
本体をどう処理するかとは別に、中に入れる水や飲料・食事をどう扱うかは福利厚生・給与課税の論点です。 従業員に出す食事は、令和8年4月1日以後に支給する食事から、月7,500円と半額負担の基準で給与課税かどうかが決まります(それ以前に支給する食事は月3,500円)。こちらは 食事の現物支給の判定表で、来客用の飲料・茶菓は会議費・交際費の判定表で扱っています。
判定単位と償却資産税
判定単位は1台ごとです。取得価額の判定は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に行い、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに見ます(法人税基本通達7-1-11)。 応接セットのようにテーブルと椅子が1組で取引されるものは組で判定しますが、冷蔵庫と電子レンジは別々に機能するので、 同じ日にまとめて買っても1台ずつです。
償却資産税は、資産計上したものが対象です。冷蔵庫・電子レンジ・ウォーターサーバーはいずれも有形の器具備品なので、 少額特例で全額損金にしたものと通常償却しているものは、毎年1月1日現在の資産として1月31日までに申告する対象になります。 一方、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産は対象外です(地方税法第341条第4号・同法施行令第49条)。 10万〜20万円の帯で一括償却資産を選ぶ理由の一つがここにあります。
ここで間違える
「冷蔵庫は4年」と出てきたら、それは氷冷蔵庫の行
別表第一には冷蔵庫の行が2つあります。電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器が6年、 氷冷蔵庫及び冷蔵ストッカー(電気式のものを除く。)が4年です。オフィスに置くのは電気式なので6年の行です。 検索結果や要約ツールが「4年」と返すことがありますが、それは電気式を除いた行を拾っています。原文の行で確かめてください。
冷蔵庫の処理と、中に入れる飲料・食事の処理は別の論点
本体は器具備品で、金額の線と耐用年数で処理が決まります。一方、従業員に出す食事や飲料は 給与課税か福利厚生費かという別の基準で判定します。本体を備品として正しく処理しても、 中身の扱いを間違えれば給与課税の問題が残ります。月7,500円と半額負担の判定表を合わせて見てください。
レンタルとリースは別。中途解約できない契約は売買として扱われることがある
利用料を払っている=費用、とは限りません。中途解約が禁止され、かつ借りた側が実質的に利益を享受し費用を負担する契約は、 法人税法上のリース取引として資産の売買があったものと扱われます。契約書に最低利用期間と解約金の定めがあるなら、 処理を決める前に顧問税理士に契約書を見せてください。
金額の帯ごとに探す
同じ「オフィスの冷蔵庫」でも、小型は10万円未満、業務用の大型は20万〜40万円の帯に入ります。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。
- 小型の冷蔵庫(10万円未満に絞り込み) 損金経理すれば消耗品費などで全額費用。償却資産税の対象にもならない、いちばん手間のない帯
- 業務用の電子レンジ(20万円未満に絞り込み) 10万円を超えると一括償却資産か少額特例かの選択が出る。耐用年数は表に無いので、資産計上するなら当てはめを先に決める
- 買い切りの卓上ウォーターサーバー 買い切りなら備品としてこの判定表に乗る。レンタル契約なら機器は貸主の資産で、利用料はその期の費用
- 業務用の大型冷蔵庫(40万円未満に絞り込み) 中小企業者等なら少額特例で初年度に全額。40万円以上になると6年の通常償却しかない
判定は1台ごと、償却資産の申告は資産ごとです。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が会社名義で一元化され、見積書の発行や請求書払いも使えます。給湯室の家電のように 少額でも台数が増えるものは、いつ・何を・いくらで買ったかが残っているだけで申告の手間が減ります。
※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは 支払方法によって扱いが異なるため、経理処理の前に自社の要件で確認してください。
出典
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索) ― 別表第一「器具及び備品」の「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」。電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス機器=6年/ 氷冷蔵庫及び冷蔵ストッカー(電気式のものを除く。)=4年/陳列だな及び陳列ケース(冷凍機付又は冷蔵機付のもの)=6年/ 食事又はちゆう房用品(陶磁器製又はガラス製のもの2年・その他のもの5年)/項末尾の その他のもの(主として金属製のもの15年・その他のもの8年)。電子レンジ・ウォーターサーバーの行が無いこと
- 主な減価償却資産の耐用年数表(国税庁・PDF) ― 「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器 6」
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 1-1-9(国税庁) ― 細目が特掲されていない器具備品は、構造・用途・使用状況が類似する特掲品目の年数を、別に定めるものを除き、税務署長(調査課所管法人にあっては国税局長)の確認を受けて適用できる
- 法人税基本通達 7-1-11(国税庁) ― 取得価額は通常1単位として取引される単位ごと、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに判定
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 ― 10万円未満の少額の減価償却資産(損金経理)、20万円未満の一括償却資産(3年)、応接セットは1組で判定、貸付用資産の除外
- 国税庁 タックスアンサー No.5702 ― 法人税法上のリース取引の要件(中途解約の禁止またはおおむね全部の支払い/経済的利益の享受と費用の負担)と、該当する場合は引渡しの時に売買があったものとされること
- 租税特別措置法 第67条の5(e-Gov法令検索) ― 少額減価償却資産の特例。40万円未満、年300万円、損金経理要件、令和11年3月31日まで
- 令和8年度税制改正の大綱 三(財務省) ― 取得価額40万円未満への引き上げと中小企業者等の範囲(従業員400人以下)
- 地方税法(e-Gov法令検索) ― 第341条第4号(償却資産の定義)、第383条(毎年1月1日現在の資産を1月31日までに申告)
- 地方税法施行令(e-Gov法令検索) ― 第49条(損金経理した10万円未満の資産と一括償却資産を償却資産から除外)
- 食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げについて(国税庁) ― 月7,500円・本人が半分以上を負担(令和8年4月1日以後に支給する食事から)。本体ではなく中身の飲料・食事に関わる基準
この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 電子レンジ・ウォーターサーバーの耐用年数は別表第一に直接の記載がなく、構造・用途による当てはめの結論は状況によって変わります。 レンタル契約が法人税法上のリース取引に当たるかどうかも、契約内容によって結論が変わります。 また「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という取得時期の区分は改正法の附則によるもので、当サイトではその原文を確認できていません。3月末をまたぐ取得は特に注意してください。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。