広告について:当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者として、適格販売により収入を得ています。 掲載しているリンクは広告リンクです。
金庫は20年、
手さげ金庫は5年
金庫の判定表 ― 金額の線は他の備品と同じ。違うのは、器具備品の中でも耐用年数が長く、40万円の線の重みが大きいことです。
金庫は1台ごとに、運搬・据付の費用を含めた取得価額で判定し、10万円未満なら全額費用、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)なら中小企業者等は少額特例で全額損金にでき、それ以上は通常償却です。通常償却の耐用年数は、手さげ金庫が5年、それ以外の金庫が20年(別表第一「6 容器及び金庫」)。耐火・防盗・テンキー式といった性能や鍵の方式では年数は分かれません。金融機関等の建物にある金庫室は、金庫ではなく建物に含まれます。
金額で決まること
金額の線の引き方は事務机やパソコンと同じです。違うのは、通常償却になったときの耐用年数が20年と長いことで、10万円以上の帯で一括償却資産や少額特例が使えるかどうかの差が、他の備品より大きく出ます。制度の説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、ここではこの品目で起きることだけを並べます。
| 取得価額(1台あたり) | この品目で起きること | 初年度に落ちる額 | 償却資産税 |
|---|---|---|---|
| 10万円未満 | 手提げ金庫(キャッシュボックス)や小型の耐火金庫が入る帯。損金経理すれば消耗品費などで全額費用(全ての企業)。この帯なら5年か20年かを決める必要はない | 全額 | 対象外 損金経理した場合 |
| 10万円以上 20万円未満 |
中型の耐火金庫が入る帯。一括償却資産(3年均等・全ての企業)と、中小企業者等なら少額特例のどちらか。20年の資産を3年で落とせるので効き目が大きい。どちらが得かは、各年の損金の出方・償却資産税・除却の扱いで変わる | 1/3 または 全額 | 一括償却なら対象外 少額特例なら対象 |
| 20万円以上 40万円未満 |
大型の耐火金庫が入りうる帯。中小企業者等は少額特例で全額損金(30万円以上は令和8年4月1日以後の取得に限る。年300万円まで)。それ以外の法人は20年の通常償却 | 全額 または 耐用年数に応じて | 対象 |
| 40万円以上 | 通常の減価償却。手さげ金庫以外は20年で、器具備品の中でも長い | 耐用年数に応じて | 対象 |
※ 取得価額は、購入の代価に購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用を加えた額です(法人税法施行令第54条)。判定は台ごと(通常1単位として取引される単位ごと)に行います(法人税基本通達7-1-11)。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満の全額費用・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
※ 少額特例が使えるのは青色申告の中小企業者等(資本金1億円以下・常時使用する従業員400人以下。令和8年3月31日以前に取得した資産は500人以下で判定)のみです。通算法人・適用除外事業者は使えず、経営強化税制E類型の計画に記載された資産も対象外。損金経理と適用額明細書の添付が要件で、年300万円まで・令和11年3月31日までの制度です。条件は10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ No.5403 と通達7-1-11 の判定単位の記述は、文言上は10万円未満・20万円未満の判定について書かれたものです。少額特例(40万円未満)も1単位ごとに判定するのが一般的な扱いですが、措置法側の一次情報は当サイトでは確認できていません。
耐用年数 ― 手さげ金庫は5年、それ以外は20年
通常償却や償却資産の申告で引くのは、耐用年数省令の別表第一「器具及び備品」の「6 容器及び金庫」です。金庫の行は「手さげ金庫」と「その他のもの」の2つだけで、耐火・防盗・テンキー式といった性能や鍵の方式では分かれていません。
| 品目 | 別表第一の区分 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 持ち運ぶ手提げ金庫(キャッシュボックス) | 金庫 ― 手さげ金庫 | 5年 |
| 据え置きの耐火金庫・防盗金庫 | 金庫 ― その他のもの | 20年 |
| 持ち手の付いた小型の耐火金庫 | 手さげ金庫を定義した通達は見当たらない。手さげ金庫か、「その他のもの」か | 断定できない 手さげ金庫なら5年、その他なら20年 |
| 金融機関等の建物にある金庫室 | 「金庫」に該当せず、その全部が建物に含まれる(耐用年数通達2-7-12) | 建物の年数 |
「手さげ金庫」は別表第一の区分名で、持ち運び用の金庫を指すと読むのが自然ですが、これを定義した通達は見当たりません。持ち手の付いた耐火金庫のように、どちらとも読める商品を少額特例か通常償却で扱うなら、5年で置くか20年で置くかを顧問税理士に確認してから固定してください。10万円未満で全額費用にする場合は、耐用年数を決める必要がありません。他の備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめています。
20年の資産こそ、40万円の線が効く
通常償却では、取得価額を耐用年数にわたって少しずつ費用にします。同じ取得価額でも、5年の資産より20年の資産のほうが1年に落ちる額は小さくなります。
そのため、10万〜40万円の帯で一括償却資産(3年)や少額特例(全額)を使えるかどうかの差は、パソコン(4年)や事務机(8年か15年)よりも金庫で大きく出ます。使えなければ、20年に分けて落としていくことになります。
少額特例には年300万円の上限があり、同じ期に他の備品でも使うなら枠の配分が問題になります。どの資産に枠を当てるかは、耐用年数の長さも含めて顧問税理士と決めてください。
運搬・据付の費用も取得価額に入る
購入した減価償却資産の取得価額には、購入の代価のほか、引取運賃・荷役費・運送保険料・購入手数料など購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用が入ります(法人税法施行令第54条第1項第1号)。
重い金庫は、搬入や据付に別の料金がかかることがあります。本体が10万円未満でも、運搬・据付の費用を足して10万円以上になれば全額費用にはできません。判定は合計額で行います。
判定単位と償却資産税
判定単位は1台ごとです。取得価額の判定は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に行い、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに見ます(国税庁タックスアンサーNo.5403・法人税基本通達7-1-11)。本店と支店に1台ずつ置くなら、同じ日にまとめて買っても1台ずつです。
償却資産税は、土地・家屋以外の事業に使う有形の減価償却資産が対象です。少額特例で全額損金にしたものと通常償却しているものは、毎年1月1日現在の資産として1月31日までに申告する対象で、申告には耐用年数も書きます(地方税法第383条)。一方、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産は対象外です(地方税法第341条第4号・同法施行令第49条)。
ここで間違える
金庫は20年。他の器具備品の感覚で決め打ちしない
パソコンは4年、事務机は8年か15年。器具備品の年数に慣れていると金庫も同じくらいに置きがちですが、別表第一の金庫は手さげ金庫が5年、それ以外が20年です。据え置きの耐火金庫を少額特例か通常償却で扱うなら20年の行です。
本体が10万円未満でも、運搬・据付の費用込みで10万円以上なら10万円未満の全額費用は使えない
取得価額には購入の代価のほか、引取運賃・荷役費など購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用が入ります(法人税法施行令第54条)。本体だけを見て消耗品費で落とし、搬入・据付の費用を別に処理すると、合計では資産になるものを全額費用にしてしまいます。なお中小企業者等なら、運搬・据付の費用込みで40万円未満までは少額特例で全額を損金にする道が残ります。
金庫室は「金庫」ではなく建物
金融機関等の建物に見られる金庫室は、別表第一の「金庫」に該当せず、その全部が建物に含まれます(耐用年数通達2-7-12)。通達が扱っているのは金融機関等の建物にみられる金庫室で、器具備品の金庫(20年)とは別に、建物として扱われます。
金額の帯ごとに探す
同じ「金庫」でも、手提げ金庫と据え置きの耐火金庫では耐用年数の行が違い、大きさで金額の帯も変わります。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。
- 手提げ金庫(10万円未満に絞り込み) 別表第一の「手さげ金庫」(5年)の行。10万円未満で損金経理すれば全額費用で、年数を決める必要もない
- 耐火金庫(20万円未満に絞り込み) 据え置きなら「その他のもの」20年の行。10万円以上なら一括償却資産で3年で落とせる。持ち手付きの小型は手さげ金庫かどうかが分かれる
- 業務用の耐火金庫(40万円未満に絞り込み) 中小企業者等は、運搬・据付の費用込みで40万円未満なら少額特例で初年度に全額(令和8年4月1日以後の取得。除外要件は「金額で決まること」の表の下の※)。使えなければ20年の通常償却
判定は台ごと、償却資産の申告は資産ごとです。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が会社名義で一元化され、見積書の発行や請求書払いも使えます。金庫は20年と長く使う資産なので、いつ・いくらで買ったかが残っていないと、何年も先の償却資産の申告や処分のときに困ります。
※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元・出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。
出典
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索) ― 別表第一 器具及び備品「6 容器及び金庫」の 金庫 ― 手さげ金庫=5年/その他のもの=20年
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 2-7-12(国税庁) ― 金融機関等の建物にみられる「金庫室」は、「金庫」に該当せず、その全部が建物に含まれる
- 法人税基本通達 7-1-11(国税庁) ― 取得価額は通常1単位として取引される単位ごと、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに判定
- 法人税法施行令 第54条(e-Gov法令検索) ― 購入した減価償却資産の取得価額は、購入の代価(引取運賃・購入手数料その他購入のために要した費用を加算)と、事業の用に供するために直接要した費用の合計
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 ― 10万円未満の少額の減価償却資産(損金経理)、20万円未満の一括償却資産(3年)、貸付用資産の除外
- 租税特別措置法 第67条の5(e-Gov法令検索) ― 少額減価償却資産の特例。40万円未満、年300万円、損金経理要件、令和11年3月31日まで
- 令和8年度税制改正の大綱 三(財務省) ― 取得価額40万円未満への引き上げと中小企業者等の範囲(従業員400人以下)
- 租税特別措置法施行令 第39条の28・令和8年政令第98号附則第20条(e-Gov法令検索) ― 中小企業者等は常時使用する従業員400人以下(改正前は500人以下)。令和8年4月1日前に取得した少額減価償却資産は、なお従前の例(500人以下)による
- 地方税法(e-Gov法令検索) ― 第341条第4号(償却資産の定義)、第383条(毎年1月1日現在の資産を1月31日までに申告)
- 地方税法施行令(e-Gov法令検索) ― 第49条(損金経理した10万円未満の資産と一括償却資産を償却資産から除外)
この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 持ち手の付いた小型の耐火金庫が「手さげ金庫」に当たるかは、別表第一と通達に定義がなく、構造・用途による当てはめの結論は状況によって変わります。「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という区分は、令和8年3月31日法律第12号の附則第1条(令和8年4月1日から施行)と附則第65条(施行日以後に取得した少額減価償却資産に新法を適用し、施行日前の取得は従前の例による)で確認しました。3月末をまたぐ取得は特に注意してください。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。
次に見る判定表
- 40万円未満を一発で落とせる会社と、落とせない会社 ― 10万・20万・40万の判定表少額減価償却資産の特例は令和8年4月1日以後の取得分から30万円未満→40万円未満へ。ただし使えるのは中小企業者等だけです。4つの処理と、償却資産税の課税対象・申告義務の違いまで。
- 40万円以上になったら次に見るのは耐用年数 ― 器具備品の年数表事務机は金属製なら15年、それ以外は8年。パソコンは4年でサーバー用は5年。品目名ではなく構造と用途で決まります。中古で買った場合の簡便法も。
- 事務机・椅子・キャビネットは金属製なら15年、それ以外は8年 ― セット購入の判定単位と10万・20万・40万の判定表事務机・事務いす・キャビネットの耐用年数は、主として金属製なら15年、その他は8年。材質はフレームなど主要構造部分で決まります。机と椅子をセットで買ったときの判定単位、40万円未満で少額特例を使える条件、償却資産税の扱いまでを1枚の判定表にしました。