経費判定 金額から調べる

広告について:当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者として、適格販売により収入を得ています。 掲載しているリンクは広告リンクです。

金庫は20年、
手さげ金庫は5年

金庫の判定表 ― 金額の線は他の備品と同じ。違うのは、器具備品の中でも耐用年数が長く、40万円の線の重みが大きいことです。

一文で言うと

金庫は1台ごとに、運搬・据付の費用を含めた取得価額で判定し、10万円未満なら全額費用、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)なら中小企業者等は少額特例で全額損金にでき、それ以上は通常償却です。通常償却の耐用年数は、手さげ金庫が5年、それ以外の金庫が20年(別表第一「6 容器及び金庫」)。耐火・防盗・テンキー式といった性能や鍵の方式では年数は分かれません。金融機関等の建物にある金庫室は、金庫ではなく建物に含まれます。

金額を入れると、使える処理と行き先が出ます

最終更新 2026-09-24 / 根拠:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一(器具及び備品「6 容器及び金庫」)・耐用年数の適用等に関する取扱通達2-7-12・法人税法施行令第54条・法人税基本通達7-1-11・地方税法第341条第4号・国税庁タックスアンサーNo.5403

金額で決まること

金額の線の引き方は事務机やパソコンと同じです。違うのは、通常償却になったときの耐用年数が20年と長いことで、10万円以上の帯で一括償却資産や少額特例が使えるかどうかの差が、他の備品より大きく出ます。制度の説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、ここではこの品目で起きることだけを並べます。

取得価額(1台あたり) この品目で起きること 初年度に落ちる額 償却資産税
10万円未満 手提げ金庫(キャッシュボックス)や小型の耐火金庫が入る帯。損金経理すれば消耗品費などで全額費用(全ての企業)。この帯なら5年か20年かを決める必要はない 全額 対象外
損金経理した場合
10万円以上
20万円未満
中型の耐火金庫が入る帯。一括償却資産(3年均等・全ての企業)と、中小企業者等なら少額特例のどちらか。20年の資産を3年で落とせるので効き目が大きい。どちらが得かは、各年の損金の出方・償却資産税・除却の扱いで変わる 1/3 または 全額 一括償却なら対象外
少額特例なら対象
20万円以上
40万円未満
大型の耐火金庫が入りうる帯。中小企業者等は少額特例で全額損金(30万円以上は令和8年4月1日以後の取得に限る。年300万円まで)。それ以外の法人は20年の通常償却 全額 または 耐用年数に応じて 対象
40万円以上 通常の減価償却。手さげ金庫以外は20年で、器具備品の中でも長い 耐用年数に応じて 対象

※ 取得価額は、購入の代価に購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用を加えた額です(法人税法施行令第54条)。判定は台ごと(通常1単位として取引される単位ごと)に行います(法人税基本通達7-1-11)。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満の全額費用・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
※ 少額特例が使えるのは青色申告の中小企業者等(資本金1億円以下・常時使用する従業員400人以下。令和8年3月31日以前に取得した資産は500人以下で判定)のみです。通算法人・適用除外事業者は使えず、経営強化税制E類型の計画に記載された資産も対象外。損金経理と適用額明細書の添付が要件で、年300万円まで・令和11年3月31日までの制度です。条件は10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ No.5403 と通達7-1-11 の判定単位の記述は、文言上は10万円未満・20万円未満の判定について書かれたものです。少額特例(40万円未満)も1単位ごとに判定するのが一般的な扱いですが、措置法側の一次情報は当サイトでは確認できていません。

耐用年数 ― 手さげ金庫は5年、それ以外は20年

通常償却や償却資産の申告で引くのは、耐用年数省令の別表第一「器具及び備品」の「6 容器及び金庫」です。金庫の行は「手さげ金庫」と「その他のもの」の2つだけで、耐火・防盗・テンキー式といった性能や鍵の方式では分かれていません。

品目別表第一の区分耐用年数
持ち運ぶ手提げ金庫(キャッシュボックス)金庫 ― 手さげ金庫5年
据え置きの耐火金庫・防盗金庫金庫 ― その他のもの20年
持ち手の付いた小型の耐火金庫手さげ金庫を定義した通達は見当たらない。手さげ金庫か、「その他のもの」か断定できない
手さげ金庫なら5年、その他なら20年
金融機関等の建物にある金庫室「金庫」に該当せず、その全部が建物に含まれる(耐用年数通達2-7-12)建物の年数

「手さげ金庫」は別表第一の区分名で、持ち運び用の金庫を指すと読むのが自然ですが、これを定義した通達は見当たりません。持ち手の付いた耐火金庫のように、どちらとも読める商品を少額特例か通常償却で扱うなら、5年で置くか20年で置くかを顧問税理士に確認してから固定してください。10万円未満で全額費用にする場合は、耐用年数を決める必要がありません。他の備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめています。

20年の資産こそ、40万円の線が効く

通常償却では、取得価額を耐用年数にわたって少しずつ費用にします。同じ取得価額でも、5年の資産より20年の資産のほうが1年に落ちる額は小さくなります。

そのため、10万〜40万円の帯で一括償却資産(3年)や少額特例(全額)を使えるかどうかの差は、パソコン(4年)や事務机(8年か15年)よりも金庫で大きく出ます。使えなければ、20年に分けて落としていくことになります。

少額特例には年300万円の上限があり、同じ期に他の備品でも使うなら枠の配分が問題になります。どの資産に枠を当てるかは、耐用年数の長さも含めて顧問税理士と決めてください。

運搬・据付の費用も取得価額に入る

購入した減価償却資産の取得価額には、購入の代価のほか、引取運賃・荷役費・運送保険料・購入手数料など購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用が入ります(法人税法施行令第54条第1項第1号)。

重い金庫は、搬入や据付に別の料金がかかることがあります。本体が10万円未満でも、運搬・据付の費用を足して10万円以上になれば全額費用にはできません。判定は合計額で行います。

判定単位と償却資産税

判定単位は1台ごとです。取得価額の判定は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に行い、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに見ます(国税庁タックスアンサーNo.5403・法人税基本通達7-1-11)。本店と支店に1台ずつ置くなら、同じ日にまとめて買っても1台ずつです。

償却資産税は、土地・家屋以外の事業に使う有形の減価償却資産が対象です。少額特例で全額損金にしたものと通常償却しているものは、毎年1月1日現在の資産として1月31日までに申告する対象で、申告には耐用年数も書きます(地方税法第383条)。一方、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産は対象外です(地方税法第341条第4号・同法施行令第49条)。

ここで間違える

金庫は20年。他の器具備品の感覚で決め打ちしない

パソコンは4年、事務机は8年か15年。器具備品の年数に慣れていると金庫も同じくらいに置きがちですが、別表第一の金庫は手さげ金庫が5年、それ以外が20年です。据え置きの耐火金庫を少額特例か通常償却で扱うなら20年の行です。

本体が10万円未満でも、運搬・据付の費用込みで10万円以上なら10万円未満の全額費用は使えない

取得価額には購入の代価のほか、引取運賃・荷役費など購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用が入ります(法人税法施行令第54条)。本体だけを見て消耗品費で落とし、搬入・据付の費用を別に処理すると、合計では資産になるものを全額費用にしてしまいます。なお中小企業者等なら、運搬・据付の費用込みで40万円未満までは少額特例で全額を損金にする道が残ります。

金庫室は「金庫」ではなく建物

金融機関等の建物に見られる金庫室は、別表第一の「金庫」に該当せず、その全部が建物に含まれます(耐用年数通達2-7-12)。通達が扱っているのは金融機関等の建物にみられる金庫室で、器具備品の金庫(20年)とは別に、建物として扱われます。

金額の帯ごとに探す

同じ「金庫」でも、手提げ金庫と据え置きの耐火金庫では耐用年数の行が違い、大きさで金額の帯も変わります。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。

帯に合わせて絞り込む
いつ・何を・いくらで買ったかを残す

判定は台ごと、償却資産の申告は資産ごとです。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が会社名義で一元化され、見積書の発行や請求書払いも使えます。金庫は20年と長く使う資産なので、いつ・いくらで買ったかが残っていないと、何年も先の償却資産の申告や処分のときに困ります。

※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元・出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。

Amazonビジネスの登録ページを見る(広告)

出典

この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 持ち手の付いた小型の耐火金庫が「手さげ金庫」に当たるかは、別表第一と通達に定義がなく、構造・用途による当てはめの結論は状況によって変わります。「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という区分は、令和8年3月31日法律第12号の附則第1条(令和8年4月1日から施行)と附則第65条(施行日以後に取得した少額減価償却資産に新法を適用し、施行日前の取得は従前の例による)で確認しました。3月末をまたぐ取得は特に注意してください。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。

次に見る判定表

金額から調べる