経費判定舎 金額から調べる

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事務机・椅子・キャビネットは、
金属製なら15年・それ以外は8年

事務机・事務いす・キャビネットの判定表 ― 机と椅子をセットで買ったときの判定単位と、40万円以上になったときの行き先。

一文で言うと

事務机・事務いす・キャビネットの耐用年数は、主として金属製のものが15年、その他のものが8年で、金属製かどうかはフレームなど主要構造部分の材質で決まります。取得価額は1個・1組・1そろいごとに判定し、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得)なら中小企業者等は少額特例で初年度に全額を落とせますが、40万円以上になると通常の減価償却しかありません。

金額を入れると、使える処理と行き先が出ます
円

最終更新 2026-10-20 / 根拠:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一・第八・第十・法人税法施行令第53条・耐用年数の適用等に関する取扱通達2-7-2・法人税基本通達7-1-11・租税特別措置法関係通達67の5-2・租税特別措置法第67条の5・地方税法

金額の帯ごとに、机・椅子・キャビネットで起きること

金額の線は3本です。閾値そのものの制度説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、 ここでは机・椅子・キャビネットという品目で何が起きるかだけを並べます。 金額は1単位あたり(後述の判定単位)で見ます。

取得価額(1単位) 使える処理 初年度に落ちる額 償却資産税 この品目で起きること
10万円未満 消耗品費などで全額(全ての企業) 全額 対象外
損金経理した場合
1人分の椅子や小型のキャビネットが入りやすい帯。事業の用に供した年度に損金経理しないと後から落とせない
10万円以上
20万円未満
一括償却資産(全ての企業)/少額特例(中小企業者等のみ) 一括償却なら1/3、少額特例なら全額 一括償却は対象外
少額特例は対象
机1台・椅子1脚が多く入る帯。15年の資産を償却資産の申告に載せるかどうかが、ここで分かれる
20万円以上
40万円未満
少額特例(中小企業者等のみ)/通常償却 少額特例なら全額
年300万円まで
対象 机+椅子のセットや大型キャビネットが入る帯。中小企業者等以外は通常償却(金属製15年・その他8年)だけ
40万円以上 通常償却のみ 耐用年数に応じて 対象 事務用器具備品なので経営強化税制の即時償却も使えない。金属製なら15年かけて償却する

※ 40万円未満は令和8年4月1日以後に取得した資産から。3月31日以前の取得は30万円未満です。
※ 少額特例は青色申告の中小企業者等だけです。主な条件は、資本金・出資金が1億円以下であること、同一の大規模法人に株式・出資(自己株式を除く)の2分の1以上(複数の大規模法人の合計では3分の2以上)を保有されていないこと、常時使用する従業員が原則400人以下であることなどです(農業協同組合等は、資本金と大規模法人の条件を問いません)。大規模法人には、資本金・出資金1億円超の法人などのほか、資本金・出資金5億円以上の法人などに直接・間接に100%保有されている会社も、資本金の額にかかわらず含まれます。中小企業投資育成株式会社は、大規模法人から除かれます(10万・20万・40万の判定表の中小企業者等の条件)。株主・出資者に法人がいる場合は、その法人が大規模法人に当たらないかを顧問税理士に確認してください。
※ 上の条件を満たしていても、通算法人と、適用除外事業者に当たる中小企業者は少額特例を使えず、経営強化税制のE類型(経営規模拡大設備の類型)の資産を記載した経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等も、計画にE類型の資産が記載されている間は使えません(記載を外せる場合とその条件は経営強化税制の判定表のE類型の項)。 少額特例は、損金経理と、取得価額に関する明細書・適用額明細書の添付が要件です。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は10万円未満・一括償却・少額特例のいずれからも除かれます。

耐用年数は「机」ではなく、材質で引く

減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一は、器具及び備品の 「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」の項に「事務机、事務いす及びキャビネット」という細目を置き、 材質で2つに分けています。

細目構造耐用年数
事務机、事務いす及びキャビネット主として金属製のもの15年
事務机、事務いす及びキャビネットその他のもの8年

「主として金属製」かどうかは、見た目や天板の素材ではなく、耐用年数に最も影響があると認められるフレームその他の主要構造部分の材質で判定します (耐用年数の適用等に関する取扱通達2-7-2)。スチールフレームに木目の天板を載せた机は、この基準で見ると金属製側に寄りますが、 どの部分を主要構造部分と見るかは製品によって変わるので、仕様書を残したうえで顧問税理士に確認してください。

なお会議テーブルと応接セットは別表第一の当てはめが別の論点になるので、応接セット・会議テーブルの判定表に分けてあります。 他の器具備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめています。

机+椅子のセットは、何単位で判定するか

取得価額が10万円未満・20万円未満かどうかは、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。 工具・器具及び備品は1個、1組又は1そろいごとです(法人税基本通達7-1-11)。 少額特例の40万円未満の判定も同じ基準で、租税特別措置法関係通達67の5-2が同じ文言で定めています。

国税庁の例示は応接セットです。テーブルと椅子が通常1組で取引されるものだから、1組で判定する、というのが考え方です。 ここから、机と椅子については次のように整理できます。

買い方判定単位の考え方
机1台と椅子1脚を、別の商品として買うそれぞれ単体で流通し、単体で機能するものなので、机は机、椅子は椅子で1個ごとに見る
「デスク+チェア」のセット商品を買う1組で取引される商品なら、応接セットの例示と同じく1組の合計額で見る余地がある
同じ机を10台まとめて買う1台ごとに判定する。ただし少額特例で落とせるのは年300万円まで

※ 応接セットの例示はありますが、机と椅子を名指しした例示はありません。上の表は考え方の整理であり、 実際の単位は取引の実態(1つの商品として売られているか、単体で機能するか)で決まります。境界に近い発注は、 顧問税理士に確認してから経理処理してください。

償却資産税は、持っている限り申告に載る

事務机・椅子・キャビネットは有形の器具備品なので、少額特例で全額を落とした資産も、通常償却する資産も、償却資産税(固定資産税)の課税対象です。 対象外になるのは、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産です(地方税法第341条第4号・地方税法施行令第49条。リース資産は、所有者が取得した際の取得価額が20万円未満かどうかが除外の線になります)。

同一市町村内の課税標準となるべき額の合計が150万円未満なら課税されない免税点があります(令和9年度分からは180万円未満。地方税法351条。令和8年法律第2号による改正で、令和9年度分から適用)。 ただし課税されないだけで申告義務はあり、毎年1月1日現在の資産を原則として1月31日まで(その日が土日祝に当たる年は翌開庁日)に申告します。 しかも耐用年数(主として金属製15年・その他8年)を過ぎても、事業の用に供することができる限り申告の対象から外れません。 減価償却が済んだ後も評価額は取得価額の5%が下限として残り続けます(東京都主税局)。 一度載せると長く付き合う台帳なので、10万円以上20万円未満の帯で一括償却資産(申告の対象外)を選ぶかどうかは、 この長さと合わせて考える場所です。分岐の詳細は一括償却資産と少額特例の比較にあります。

ここで間違える

「木の天板だから8年」で決めない

耐用年数表の材質区分はフレームその他の主要構造部分で見ます。天板だけが木でも、脚と骨組みがスチールなら 金属製側に当たりうる、というのが通達の基準です。逆に木製の机にスチールの脚金具が付いているだけなら、主要構造部分は木と見るのが自然です。 発注時のカタログや仕様書に材質が書かれているので、購買記録と一緒に残しておくと、後から年数を説明できます。

同じ注文に入っているから合算、ではない

判定単位は「通常1単位として取引される単位」です。単体で流通し単体で機能する机と椅子は、同じ注文にまとめて入っていても、 机は机・椅子は椅子で1個ごとに見るのが基本の読み方です(上の表の3行目の裏返しで、同じ机を10台買っても1台ごとです)。机と椅子を名指しした国税庁の例示はないので、セット商品として1組で取引されるものの扱いを含め、取引の実態に照らして顧問税理士にご確認ください。 決めるのは注文書の形ではなく取引の実態です。1組で取引される応接セットの扱いは応接セットの判定表にあります。

40万円以上の事務机は、通常の減価償却しか残らない

40万円という数字は2つの制度で逆向きに使われています。少額特例は40万円未満、中小企業経営強化税制の器具備品は40万円以上。 しかし経営強化税制の対象は生産等設備に限られ、事務用器具備品は対象外と国税庁が明記しています。 40万円以上の事務机やキャビネットは通常償却しかなく、金属製なら15年です。詳しくは 経営強化税制が届かない範囲で整理しています。

よくある質問

キャビネットや事務椅子の耐用年数は何年ですか

耐用年数省令の別表第一で、「事務机、事務いす及びキャビネット」は主として金属製のものが15年、その他のものが8年です。主として金属製かどうかは、天板や見た目ではなく、耐用年数に最も影響があると認められるフレームその他の主要構造部分の材質で判定します(耐用年数の適用等に関する取扱通達2-7-2)。

事務机と椅子のセットは固定資産になりますか

取得価額は通常1単位として取引される単位ごとに判定し、器具及び備品は1個、1組又は1そろいごとです(法人税基本通達7-1-11)。単体で流通し単体で機能する机と椅子なら、同じ注文で買っても机は机・椅子は椅子で1個ごとに見るのが基本の読み方で、「デスク+チェア」のセット商品として1組で取引されるものなら1組の合計額で見る余地があります。その金額が10万円未満なら損金経理して全額費用処理、20万円未満なら一括償却資産を選べ、40万円未満なら中小企業者等は少額特例(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前の取得は30万円未満)が使え、40万円以上は通常の減価償却になります。机と椅子を名指しした国税庁の例示はないので、取引の実態に照らして顧問税理士にご確認ください。

事務机・事務椅子の減価償却の償却率はいくつですか

償却方法の届出をしていなければ(法人税法施行令第51条第2項)、器具及び備品は定率法で償却します(同施行令第53条)。平成24年4月1日以後に取得した資産の定率法の償却率は、耐用年数15年(主として金属製)が0.133、8年(その他)が0.250です(耐用年数省令 別表第十。改定償却率はそれぞれ0.143・0.334、保証率は0.04565・0.07909)。定額法を選定している場合の償却率は、15年が0.067、8年が0.125です(同 別表第八)。償却方法を変えるには、新しい方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに申請書を出し、所轄税務署長の承認を受けます(法人税法施行令第52条)。平成19年3月31日以前に取得した資産で旧定額法を選んでいた法人は、届出をしていなければ定額法を選んだものとみなされる(同施行令第51条第3項)など、設立時期等によって異なる場合があるので顧問税理士にご確認ください。期中に使い始めた年は使い始めた月からの月割りになり(同施行令第59条)、事業年度が1年に満たない場合は、償却率に事業年度の月数を乗じて12で除します(耐用年数省令第5条第2項)。

金額の帯に合わせて探す

価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認し、税抜か税込かはその資産の購入に適用される消費税の経理方式に合わせて判定してください(売上を税込経理している会社は、資産の購入を税抜で記帳していても税込。免税事業者も税込)。登録番号のない出品者から買う場合など適格請求書の無い仕入れは、税抜経理でも、控除できない消費税の分(経過措置の割合で控除できない残り)が原則として取得価額に入ります(令和3年改正消費税経理通達関係Q&A 問3)。

机・椅子・キャビネットを帯で絞る
材質と単位を、買った時点で残しておく

15年か8年か、1個か1組かは、買ったときの情報で決まります。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が一元化され、見積書を発行でき、請求書払い(招待制・審査あり)の対象にもなりえます。何をどの単位でいつ買ったかが残るので、 後から材質や判定単位を説明する手間が減ります。

※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元がAmazon.co.jpか、出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。

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出典

この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 主要構造部分をどう見るか、机と椅子を1組と見るか、中小企業者等に当たるか、消費税の経理方式は、会社と商品によって結論が変わります。 「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という区分も、令和8年3月31日法律第12号の附則第1条(令和8年4月1日から施行)と附則第65条(施行日以後に取得した少額減価償却資産に新法を適用し、施行日前の取得は従前の例による)で確認しました。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。

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