広告について:当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者として、適格販売により収入を得ています。 掲載しているリンクは広告リンクです。
防犯カメラは
表に名前がない
防犯カメラの判定表 ― 金額の線は他の備品と同じ。違うのは、カメラ・録画機・モニターを一式で買い、取付工事費も含めて金額を見ることと、年数の候補が分かれることです。
事務所や店舗の防犯カメラは、取付工事費を含めた取得価額で判定し、10万円未満なら全額費用、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)なら中小企業者等は少額特例で全額損金にでき、それ以上は通常償却です。通常償却の耐用年数は、別表第一に防犯カメラの名前がなく、名指しした一次情報も確認できていません。国税庁の質疑応答事例は、監視用カメラ・モニターTV・インターホーン・制御器などが一体となって機能し一式で販売されるドア自動管理装置を、「2 事務機器及び通信機器」の「インターホーン及び放送用設備」の6年としています。カメラ単体で見るなら「4 光学機器及び写真製作機器」の「カメラ」(5年)も候補です。
金額で決まること
金額の線の引き方は事務机やパソコンと同じです。違うのは、防犯カメラはカメラ・録画機・モニターを一式で買い、取付工事も頼むことが多く、どこまでを1組として、工事費込みでいくらかで帯が変わることです。制度の説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、ここではこの品目で起きることだけを並べます。
| 取得価額(1組または台あたり) | この品目で起きること | 初年度に落ちる額 | 償却資産税 |
|---|---|---|---|
| 10万円未満 | Wi-Fiでつなぐ単体の防犯カメラを1台ずつ買う場合などが入りうる帯。ただし取付工事費を足して判定する。損金経理すれば全額費用(全ての企業) | 全額 | 対象外 損金経理した場合 |
| 10万円以上 20万円未満 |
カメラ数台と録画機の一式が入りうる帯。一括償却資産(3年均等・全ての企業)と、中小企業者等なら少額特例のどちらか。どちらが得かは、各年の損金の出方・償却資産税・除却の扱いで変わる | 1/3 または 全額 | 一括償却なら対象外 少額特例なら対象 |
| 20万円以上 40万円未満 |
工事費込みの多台数のシステムが入りうる帯。中小企業者等は少額特例で全額損金(30万円以上は令和8年4月1日以後の取得に限る。年300万円まで)。それ以外の法人は通常償却 | 全額 または 耐用年数に応じて | 対象 |
| 40万円以上 | 通常の減価償却。名指しがないので、監視用カメラを含む装置一式を6年とした国税庁の事例や、カメラの5年などから当てはめる | 耐用年数に応じて | 対象 |
※ 取得価額は、購入の代価に購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用を加えた額です(法人税法施行令第54条)。判定は組または台ごと(通常1単位として取引される単位ごと)に行います(法人税基本通達7-1-11)。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満の全額費用・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
※ 少額特例が使えるのは青色申告の中小企業者等(資本金1億円以下・常時使用する従業員400人以下。令和8年3月31日以前に取得した資産は500人以下で判定)のみです。通算法人・適用除外事業者は使えず、経営強化税制E類型の計画に記載された資産も対象外。損金経理と適用額明細書の添付が要件で、年300万円まで・令和11年3月31日までの制度です。条件は10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ No.5403 と通達7-1-11 の判定単位の記述は、文言上は10万円未満・20万円未満の判定について書かれたものです。少額特例(40万円未満)も1単位ごとに判定するのが一般的な扱いですが、措置法側の一次情報は当サイトでは確認できていません。
耐用年数 ― 防犯カメラは名指しなし。監視カメラを含む装置一式を6年とした国税庁の事例がある
別表第一には「防犯カメラ」「監視カメラ」という品目名はありません。近いものとして、国税庁の質疑応答事例が、監視用カメラを含むドア自動管理装置の耐用年数を回答しています。
| 品目 | 別表第一の区分 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 監視用カメラ・モニターTV・インターホーン・制御器などが一体で機能し、一式で販売される装置 | 「2 事務機器及び通信機器」の インターホーン及び放送用設備(国税庁の質疑応答事例「ドア自動管理装置の耐用年数」) | 6年 事例の事実関係が前提 |
| カメラと録画機・モニターの一式(入退室の管理機能なし) | 名指しなし。上の事例に近い一式と見るか、カメラの行で見るか | 断定できない 候補は6年か5年 |
| Wi-Fiでつなぐ単体の防犯カメラ | 名指しなし。候補は「4 光学機器及び写真製作機器」の カメラ、映画撮影機、映写機及び望遠鏡 | 断定できない カメラの行なら5年 |
表に無い品目は、構造・用途・使用状況が類似する品目の年数を、別に定めるものを除き、税務署長(調査課所管法人にあっては国税局長)の確認を受けて適用できるという枠組みがあります(耐用年数通達1-1-9)。質疑応答事例は照会の事実関係を前提にした一般的な回答なので、自社の設備の構成を記録したうえで、どの行で置くかを顧問税理士に確認してから固定してください。
監視用カメラを含む装置一式を6年とした国税庁の事例
国税庁の質疑応答事例「ドア自動管理装置の耐用年数」は、入室の遠隔監視や扉の施解錠を行う装置(取得価額約100万円)について回答しています。この装置は、監視用カメラ、モニターTV、インターホーン、制御器、プリンター及び操作表示器から構成され、これらが一体となって機能し、装置一式で販売されているものです。
回答は、別表第一「器具及び備品」の「2 事務機器及び通信機器」のインターホーン及び放送用設備の6年を適用する、というものです。装置一式に対して、この6年を当てはめています。
この事例は入退室の管理機能を持つ装置についての回答で、防犯カメラそのものを名指ししたものではありません。国税庁も、照会の事実関係を前提とした一般的な回答で、具体的な取引に当てはめると異なる課税関係が生ずることがあると注記しています。
取付工事費も取得価額に入る
購入した減価償却資産の取得価額は、購入の代価(引取運賃・購入手数料など購入のために要した費用を加えた額)と、事業の用に供するために直接要した費用の合計です(法人税法施行令第54条第1項第1号)。防犯カメラの取付工事・配線工事の費用も含めて、10万・20万・40万の線を判定します。
月額で払うクラウド録画のサービス料は、機器を取得する対価ではないので、この金額の線とは別に考えます。月額の料金の扱いはソフトウェア・サブスクの判定表で扱っています。
判定単位と償却資産税
判定単位は1個・1組・1そろいごとです。取得価額の判定は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に行い、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに見ます(国税庁タックスアンサーNo.5403・法人税基本通達7-1-11)。カメラ・録画機・モニターが一体で機能し一式で販売されるものは一式で、Wi-Fiでつなぐ単体のカメラを1台ずつ買うなら1台ずつ見る、というのが当サイトの読み方です(防犯カメラを名指しした一次情報は確認できていません)。国税庁のドア自動管理装置の事例は、一式の装置に耐用年数を当てはめたもので、取得価額の判定単位には触れていません。
償却資産税は、土地・家屋以外の事業に使う有形の減価償却資産が対象です(家屋の評価に含まれるものを除く)。少額特例で全額損金にしたものと通常償却しているものは、毎年1月1日現在の資産として1月31日までに申告する対象で、申告には耐用年数も書きます(地方税法第383条)。一方、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産は対象外です(地方税法第341条第4号・同法施行令第49条)。自社の建物に配線を埋め込んで取り付けた防犯カメラの設備が家屋の評価に含まれるかは、当サイトでは一次情報を確認できていないので、所在の市町村に確認してください。テナントが取り付けた事業用の内装・造作及び建築設備等は、東京都(23区)の扱いでは償却資産として申告の対象です(償却資産Q&A 1-3)。
ここで間違える
カメラを1台ずつの行に分けても、10万円未満になるとは限らない
判定は1個・1組・1そろいごとです(法人税基本通達7-1-11)。カメラ・録画機・モニターが一体となって機能し一式で取引されるものは1組として判定される、というのが当サイトの読み方です(防犯カメラを名指しした一次情報は確認できていません)。見積書でカメラを1台ずつの行に分けても、それだけで1台ずつ10万円未満の全額費用にできるとは限りません。どこまでを一式と見るかは、顧問税理士に確認してください。
本体価格だけで帯を決めない ― 取付工事費も取得価額
事業の用に供するために直接要した費用は取得価額に入ります(法人税法施行令第54条第1項第1号)。本体が10万円未満でも、取付工事・配線工事の費用を足して10万円以上になれば、10万円未満の全額費用は使えません。
装置一式を6年とした事例を、そのまま防犯カメラに当てはめない
国税庁の6年の事例は、入室の遠隔監視や扉の施解錠を行う装置一式についての回答です。防犯カメラを名指ししたものではなく、構成や機能が違えば当てはめも変わりえます。カメラ単体なら「カメラ」の5年も候補です。どの行で置くかは顧問税理士に確認してください。
金額の帯ごとに探す
同じ防犯カメラでも、単体のWi-Fiカメラか、録画機とセットの一式か、工事を頼むかで帯が変わります。Amazonの表示価格には取付工事費が入っていないことがあるので、合計額で帯を当てはめてください。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。
- 単体の防犯カメラ(10万円未満に絞り込み) 単体で機能するカメラは1台ごとに見るのが当サイトの読み方。取付費を足しても10万円未満なら、損金経理で全額費用
- 防犯カメラと録画機のセット(20万円未満に絞り込み) 一式で見るのが当サイトの読み方。10万円以上なら一括償却資産か、中小企業者等なら少額特例の選択
- 多台数の防犯カメラセット(40万円未満に絞り込み) 中小企業者等は、工事費込みで40万円未満なら少額特例で初年度に全額(令和8年4月1日以後の取得。除外要件は「金額で決まること」の表の下の※)
判定は組または台ごと、償却資産の申告は資産ごとです。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が会社名義で一元化され、見積書の発行や請求書払いも使えます。防犯カメラは拠点ごとに設置するので、どの拠点に何台を、本体と工事費それぞれいくらで付けたかを残しておくと、判定単位の説明と償却資産の申告の両方で困りません。
※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元・出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。
出典
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索) ― 別表第一 器具及び備品「2 事務機器及び通信機器」の インターホーン及び放送用設備=6年、「4 光学機器及び写真製作機器」の カメラ、映画撮影機、映写機及び望遠鏡=5年。防犯カメラ・監視カメラの行が無いこと
- 国税庁 質疑応答事例「ドア自動管理装置の耐用年数」 ― 監視用カメラ、モニターTV、インターホーン、制御器、プリンター及び操作表示器から構成され、一体となって機能し一式で販売される装置(取得価額約100万円)は、「2 事務機器及び通信機器」の「インターホーン及び放送用設備」の6年
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 1-1-9(国税庁) ― 細目が特掲されていない器具備品は、構造・用途・使用状況が類似する特掲品目の年数を、別に定めるものを除き、税務署長(調査課所管法人にあっては国税局長)の確認を受けて適用できる
- 固定資産税(償却資産)Q&A 1-3(東京都主税局) ― テナント等が取り付けた事業用の内装・造作及び建築設備等は償却資産として申告の対象。東京都(23区)の取扱い
- 法人税基本通達 7-1-11(国税庁) ― 取得価額は通常1単位として取引される単位ごと、器具及び備品は1個・1組・1そろいごとに判定
- 法人税法施行令 第54条(e-Gov法令検索) ― 購入した減価償却資産の取得価額は、購入の代価(引取運賃・購入手数料その他購入のために要した費用を加算)と、事業の用に供するために直接要した費用の合計
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 ― 10万円未満の少額の減価償却資産(損金経理)、20万円未満の一括償却資産(3年)、貸付用資産の除外
- 租税特別措置法 第67条の5(e-Gov法令検索) ― 少額減価償却資産の特例。40万円未満、年300万円、損金経理要件、令和11年3月31日まで
- 令和8年度税制改正の大綱 三(財務省) ― 取得価額40万円未満への引き上げと中小企業者等の範囲(従業員400人以下)
- 租税特別措置法施行令 第39条の28・令和8年政令第98号附則第20条(e-Gov法令検索) ― 中小企業者等は常時使用する従業員400人以下(改正前は500人以下)。令和8年4月1日前に取得した少額減価償却資産は、なお従前の例(500人以下)による
- 地方税法(e-Gov法令検索) ― 第341条第4号(償却資産の定義)、第383条(毎年1月1日現在の資産を1月31日までに申告)
- 地方税法施行令(e-Gov法令検索) ― 第49条(損金経理した10万円未満の資産と一括償却資産を償却資産から除外)
この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 防犯カメラの耐用年数と判定単位は、別表第一と通達に名指しがなく、国税庁の事例も入退室管理の装置一式についてのものです。構成・機能による当てはめの結論は状況によって変わります。「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という区分は、令和8年3月31日法律第12号の附則第1条(令和8年4月1日から施行)と附則第65条(施行日以後に取得した少額減価償却資産に新法を適用し、施行日前の取得は従前の例による)で確認しました。3月末をまたぐ取得は特に注意してください。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。
次に見る判定表
- 会議室のテレビは5年、館内放送は6年の行 ― テレビ・音響機器の判定表と、チューナーレステレビ・サイネージの扱いテレビの耐用年数は、別表第一「ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器」で5年。館内放送には「インターホーン及び放送用設備」6年という別の行があります。チューナーレステレビや会議用の大型ディスプレイ、デジタルサイネージは表に名前が無く、当てはめで決めます。10万・20万・40万の金額の線、判定単位、償却資産税まで1枚に。
- 看板は3年、野立看板・広告塔は構築物で10年か20年 ― 店舗・事務所の看板の判定表と、メーカーからもらった看板の扱い看板の耐用年数は、器具及び備品「5 看板及び広告器具」の「看板、ネオンサイン及び気球」で3年。野立看板や広告塔のように広告のために構築された工作物は構築物の「広告用のもの」で、金属造20年・その他10年です。製作費と取付費を含めた10万・20万・40万の線、メーカーから無償でもらった広告宣伝用の看板の扱い、償却資産税まで1枚に。
- 20万円未満で得なのはどっちか ― 一括償却資産と少額特例の分岐3年で見れば損金の総額は同じ。違うのは各年に落ちる額と、償却資産税、途中で捨てたときの扱いです。一括償却資産は除却しても損を計上できず3年続きます。