経費判定舎 金額から調べる

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応接セットは「1組」で判定する
― 国税庁が名指しで例示している品目

応接セット・会議テーブルの判定単位と耐用年数 ― 5年/8年/15年のどれになるかは、用途と材質で決まります。

一文で言うと

応接セットはテーブルと椅子の1組を1単位として取得価額を判定し(国税庁の例示)、その1組が10万円未満なら全額費用処理、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満なら中小企業者等に限り少額減価償却資産の特例(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)が使えます。通常償却になったときの耐用年数は、応接セットが接客業用5年・その他8年、会議テーブルは表に直接の記載がなく、主として金属製なら15年・その他は8年の区分に当てはめます。

1組(1台)の金額を入れると、使える処理と行き先が出ます
円

最終更新 2026-10-20 / 根拠:国税庁 タックスアンサー No.5403・法人税基本通達7-1-11・租税特別措置法関係通達67の5-2・減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一・耐用年数の適用等に関する取扱通達・地方税法

判定単位 ― 応接セットは1組、椅子だけなら1脚

備品の金額の線は10万円・20万円・40万円の3本ですが、この品目で最初に決めるのは金額をどの単位で見るかです。 国税庁のタックスアンサー No.5403 は、取得価額は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に判定するとしたうえで、 応接セットを例示しています。原文はこうです。

「応接セットの場合は、通常、テーブルと椅子が1組で取引されるものですから、1組で10万円未満になるかどうかを判定します。」(国税庁 No.5403)

法人税基本通達7-1-11も同じ考え方で、工具、器具及び備品は「1個、1組又は1そろいごと」に判定するとしています。 少額特例(40万円未満)の判定単位も租税特別措置法関係通達67の5-2が同じ文言で定めていて、 10万円・20万円の線と40万円の線で単位の見方は変わりません。 応接セットは「1組」の典型例です。一方、会議室の椅子を単品で買い足すなら1脚ごと、会議テーブルを単体で買うなら1台ごとです。 同じ「テーブルと椅子」でも、通常どの単位で取引されるものかで単位が変わります。

1組(1台)の取得価額 応接セット・会議テーブルで起きること 使える会社 償却資産税
10万円未満 1組で10万円未満なら、損金経理して全額費用処理できる。単品の椅子は1脚ごとに見る 全ての企業 対象外
損金経理した場合
10万円以上
20万円未満
一括償却資産(3年均等)を選べる。少額特例(中小企業者等)との比較は、償却資産税の有無と、途中で除却したときの扱い(一括償却は除却損を一括計上できない)が主な分かれ目になる(分岐の比較) 全ての企業 対象外
一括償却を選んだ場合
20万円以上
40万円未満
1組の合計で見るため、単品では下の帯でもテーブルと椅子を組にするとこの帯に入りやすい。中小企業者等なら少額特例で初年度に全額損金(年300万円まで)。それ以外の法人は通常償却(応接セットは接客業用5年・その他8年、金属製の会議テーブルなら15年の区分) 少額特例は
中小企業者等のみ
対象
40万円以上 通常償却のみ。耐用年数は下の表で引く。組で40万円以上になった応接セットは5年か8年、金属製の会議テーブルなら15年にわたって帳簿に残る 全ての企業 対象

※ 10万円・20万円の線は、その資産の購入に適用される消費税の経理方式に従って判定します(税抜経理なら税抜、税込経理なら税込。売上を税込経理している会社と免税事業者は税込)。40万円の線(少額特例)も同じ扱いと解されます。登録番号のない出品者から買った場合など適格請求書の無い仕入れは、税抜経理でも、控除できない消費税の分(経過措置の割合で控除できない残り)が原則として取得価額に入ります(国税庁 No.5403 判定の例示・消費税経理通達・令和3年改正消費税経理通達関係Q&A 問3)。境界付近は顧問税理士に確認してください。
※ 40万円未満への引き上げは令和8年4月1日以後に取得した資産から。3月31日以前の取得は30万円未満が基準です。この取得時期の区分は、令和8年3月31日法律第12号の附則第1条(令和8年4月1日から施行)と附則第65条(施行日以後に取得した少額減価償却資産に新法を適用し、施行日前の取得は従前の例による)で確認しました。3月末をまたぐ取得は顧問税理士へご確認ください。
※ 少額特例が使えるのは青色申告の中小企業者等だけです。主な条件は、資本金・出資金が1億円以下であること、同一の大規模法人に株式・出資(自己株式を除く)の2分の1以上(複数の大規模法人の合計では3分の2以上)を保有されていないこと、常時使用する従業員が原則400人以下であることなどです(農業協同組合等は、資本金と大規模法人の条件を問いません)。大規模法人には、資本金・出資金1億円超の法人などのほか、資本金・出資金5億円以上の法人などに直接・間接に100%保有されている会社も、資本金の額にかかわらず含まれます。中小企業投資育成株式会社は、大規模法人から除かれます(10万・20万・40万の判定表の中小企業者等の条件)。株主・出資者に法人がいる場合は、その法人が大規模法人に当たらないかを顧問税理士に確認してください。
※ 上の条件を満たしていても、通算法人と、適用除外事業者に当たる中小企業者は少額特例を使えず、経営強化税制のE類型(経営規模拡大設備の類型)の資産を記載した経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等も、計画にE類型の資産が記載されている間は使えません(記載を外せる場合とその条件は経営強化税制の判定表のE類型の項)。少額特例は、損金経理と、取得価額に関する明細書・適用額明細書の添付が要件で、年300万円まで・令和11年3月31日までの制度です。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満の全額費用処理・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。

耐用年数 ― 応接セットは用途で、会議テーブルは材質で分かれる

1組で40万円以上になったとき、または少額特例を使えない法人が20万円以上で買ったときは通常の減価償却です。 別表第一(器具及び備品)で、この品目に関わる区分は次のとおりです。

別表第一の品目細目耐用年数
応接セット接客業用のもの5年
応接セットその他のもの8年
その他の家具接客業用のもの5年
その他の家具その他のもの ― 主として金属製のもの15年
その他の家具その他のもの ― その他のもの8年

応接セットは「接客業用のもの」が5年、「その他のもの」が8年です。耐用年数通達2-7-3は、接客業用のものとは 飲食店、旅館等においてその用に直接供するものをいう、としています。この定義からすると、一般の事務所の応接室に置く 応接セットは「その他のもの」の8年側と読めます(通達の言い回しではなく、定義から導いた説明です)。

会議テーブル・ミーティングテーブルは、別表第一に品目名としての直接の記載がありません。 当てはめの候補は「事務机、事務いす及びキャビネット」か「その他の家具」で、どちらの区分でも 主として金属製のものが15年、その他のものが8年という結果は同じです(「その他の家具」には接客業用のもの5年の区分もあります)。 区分の当てはめ方と「事務机、事務いす及びキャビネット」の年数は オフィスデスク・チェアの判定表に、 他の器具備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめてあります。 年数は断定できないので、最終判断は顧問税理士へ確認してください。

償却資産税 ― 有形の家具なので、少額特例を使えば申告対象

応接セットも会議テーブルも有形の器具備品なので、少額特例で全額を損金にした場合と通常償却の場合は、償却資産税(固定資産税)の申告対象になります。 対象外になるのは、10万円未満を損金経理した場合と、一括償却資産を選んだ場合です(地方税法施行令第49条)。 同一市町村内の課税標準額の合計が150万円未満なら課税されない免税点があり(令和9年度分からは180万円未満。地方税法351条。令和8年法律第2号による改正で、令和9年度分から適用)、 免税点未満でも申告は必要です(賦課期日1月1日・申告期限1月31日)。 20万円未満の帯で一括償却と少額特例のどちらを選ぶかは、 一括償却資産と少額特例の分岐で比べられます。

ここで間違える

単位を決めるのは発注の回数ではなく、通常の取引の単位

取得価額は「通常1単位として取引されるその単位ごと」に判定します。国税庁は応接セットを例に挙げ、 通常テーブルと椅子が1組で取引されるものだから1組で10万円未満かどうかを判定する、と示しています。 決め手はその品目が通常どの単位で取引されるものかで、注文書の枚数や納品日ではありません。

※ 発注回数や納品日をどう扱うかを直接述べた原文はありません。上の説明は「通常1単位として取引される」という 通達の文言から導いた整理です。

事務所の応接室に置くものは、「接客業用」に当たらないと読める

応接セットの耐用年数は接客業用のものが5年、その他のものが8年です。耐用年数通達では、 接客業用のものとは飲食店・旅館等でその用に直接供するものをいう、とされています。 この定義からすると、一般の事務所の応接室や商談スペースに置く応接セットは「その他のもの」の8年側に当たると読めますが、 どちらに当たるかは用途の実態で決まります。

会議テーブルは表に無い。金属製かどうかはフレームなど主要構造部分で見る

耐用年数表の器具及び備品には「会議テーブル」「ミーティングテーブル」という品目がありません。 当てはめの候補は「事務机、事務いす及びキャビネット」と「その他の家具」で、どちらも主として金属製のものが15年、その他のものが8年です(「その他の家具」には接客業用のもの5年の区分もあります)。 主として金属製かどうかは、フレームその他の主要構造部分の材質で判定します。 天板が木目でも、脚と骨組みがスチールなら金属製側に当たりうる、というのが通達の基準です。 特掲されていない備品は、類似する品目の年数を税務署長の確認を受けて適用できる枠組み(耐用年数通達1-1-9)もあります。

よくある質問

応接セットは、国税庁の考え方ではどう資産計上しますか

国税庁は、応接セットは通常テーブルと椅子が1組で取引されるものだから、1組で10万円未満になるかどうかを判定する、と例示しています(タックスアンサー No.5403)。1組の取得価額が10万円未満なら損金経理して全額費用処理でき、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)を選べ、40万円未満なら中小企業者等に限り少額減価償却資産の特例(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)が使えます。これらを使わない場合と40万円以上の場合は、通常の減価償却(応接セットは接客業用5年・その他8年)になります。

応接セット(テーブルと椅子のセット)の耐用年数は何年ですか

耐用年数省令の別表第一で、応接セットは接客業用のものが5年、その他のものが8年です。耐用年数通達2-7-3は、接客業用のものとは飲食店、旅館等においてその用に直接供するものをいう、としています。この定義からすると、一般の事務所の応接室に置く応接セットは「その他のもの」の8年側と読めますが、どちらに当たるかは用途の実態で決まります。

会議室・会議スペースのテーブルや椅子の耐用年数は何年ですか

別表第一には、「会議」を名前に含む品目がありません。当てはめの候補は「事務机、事務いす及びキャビネット」と「その他の家具」で、どちらの区分でも主として金属製のものが15年、その他のものが8年です(「その他の家具」には接客業用のもの5年の区分もあります)。主として金属製かどうかは、フレームその他の主要構造部分の材質で判定します。会議室の椅子を単品で買い足すなら、金額の判定は1脚ごとです。区分は断定できないので、最終判断は顧問税理士へ確認してください。

40万円未満の線が、応接セットでは「1組」に効く

応接セットは1組で判定されるので、組の合計が40万円未満に収まるかどうかが、中小企業者等にとっては 初年度に落とせるか・8年かけて償却するかの分かれ目になります。会議テーブルは1台ごとです。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。

判定単位に合わせて探す
「組で買った」ことを、購買記録に残しておく

判定単位も耐用年数も、買ったときの情報で決まります。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が一元化され、見積書や複数担当者のアカウントを発行でき、請求書払い(招待制・審査あり)の対象にもなりえます。 テーブルと椅子をいつ・何脚・どの材質で買ったかが残るので、後から判定単位や材質を確かめる手間が減ります。

※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元がAmazon.co.jpか、出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。

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出典

この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 何を1単位として取引したか、応接セットが接客業用に当たるか、会議テーブルをどの区分に当てはめるか、 主として金属製かどうかは、資産の実態と会社の状況によって結論が変わります。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。

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