広告について:当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者として、適格販売により収入を得ています。 掲載しているリンクは広告リンクです。
事務机・椅子・キャビネットは、
金属製なら15年・それ以外は8年
事務机・事務いす・キャビネットの判定表 ― 机と椅子をセットで買ったときの判定単位と、40万円を超えたときの行き先。
事務机・事務いす・キャビネットの耐用年数は、主として金属製のものが15年、その他のものが8年で、金属製かどうかはフレームなど主要構造部分の材質で決まります。取得価額は1個・1組・1そろいごとに判定し、40万円未満(令和8年4月1日以後の取得)なら中小企業者等は少額特例で初年度に全額を落とせますが、40万円以上になると通常の減価償却しかありません。
金額の帯ごとに、机・椅子・キャビネットで起きること
金額の線は3本です。閾値そのものの制度説明は10万・20万・40万の判定表に任せ、 ここでは机・椅子・キャビネットという品目で何が起きるかだけを並べます。 金額は1単位あたり(後述の判定単位)で見ます。
| 取得価額(1単位) | 使える処理 | 初年度に落ちる額 | 償却資産税 | この品目で起きること |
|---|---|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費などで全額(全ての企業) | 全額 | 対象外 損金経理した場合 |
1人分の椅子や小型のキャビネットが入りやすい帯。事業の用に供した年度に損金経理しないと後から落とせない |
| 10万円以上 20万円未満 |
一括償却資産(全ての企業)/少額特例(中小企業者等のみ) | 一括償却なら1/3、少額特例なら全額 | 一括償却は対象外 少額特例は対象 |
机1台・椅子1脚が多く入る帯。15年の資産を償却資産の申告に載せるかどうかが、ここで分かれる |
| 20万円以上 40万円未満 |
少額特例(中小企業者等のみ)/通常償却 | 少額特例なら全額 年300万円まで |
対象 | 机+椅子のセットや大型キャビネットが入る帯。中小企業者等以外は通常償却(金属製15年・その他8年)だけ |
| 40万円以上 | 通常償却のみ | 耐用年数に応じて | 対象 | 事務用器具備品なので経営強化税制の即時償却も使えない。金属製なら15年かけて償却する |
※ 40万円未満は令和8年4月1日以後に取得した資産から。3月31日以前の取得は30万円未満です。
※ 少額特例は青色申告の中小企業者等(資本金1億円以下・常時使用する従業員400人以下。出資金等1億円超の組合等は300人以下)のみで、
資本金1億円以下でも大規模法人に支配される法人は中小企業者に当たりません。通算法人・適用除外事業者・経営強化税制E類型の計画に記載された資産は対象外で、
損金経理と明細書(適用額明細書等)の添付が要件です。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は10万円未満・一括償却・少額特例のいずれからも除かれます。
耐用年数は「机」ではなく、材質で引く
減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一は、器具及び備品の 「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」の項に「事務机、事務いす及びキャビネット」という細目を置き、 材質で2つに分けています。
| 細目 | 構造 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 事務机、事務いす及びキャビネット | 主として金属製のもの | 15年 |
| 事務机、事務いす及びキャビネット | その他のもの | 8年 |
「主として金属製」かどうかは、見た目や天板の素材ではなく、耐用年数に最も影響があると認められるフレームその他の主要構造部分の材質で判定します (耐用年数の適用等に関する取扱通達2-7-2)。スチールフレームに木目の天板を載せた机は、この基準で見ると金属製側に寄りますが、 どの部分を主要構造部分と見るかは製品によって変わるので、仕様書を残したうえで顧問税理士に確認してください。
なお会議テーブルと応接セットは別表第一の当てはめが別の論点になるので、応接セット・会議テーブルの判定表に分けてあります。 他の器具備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめています。
机+椅子のセットは、何単位で判定するか
取得価額が10万円未満・20万円未満かどうかは、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。 工具・器具及び備品は1個、1組又は1そろいごとです(法人税基本通達7-1-11)。 少額特例の40万円未満の判定も同じ基準で、租税特別措置法関係通達67の5-2が同じ文言で定めています。
国税庁の例示は応接セットです。テーブルと椅子が通常1組で取引されるものだから、1組で判定する、というのが考え方です。 ここから、机と椅子については次のように整理できます。
| 買い方 | 判定単位の考え方 |
|---|---|
| 机1台と椅子1脚を、別の商品として買う | それぞれ単体で流通し、単体で機能するものなので、机は机、椅子は椅子で1個ごとに見る |
| 「デスク+チェア」のセット商品を買う | 1組で取引される商品なら、応接セットの例示と同じく1組の合計額で見る余地がある |
| 同じ机を10台まとめて買う | 1台ごとに判定する。ただし少額特例で落とせるのは年300万円まで |
※ 応接セットの例示はありますが、机と椅子を名指しした例示はありません。上の表は考え方の整理であり、 実際の単位は取引の実態(1つの商品として売られているか、単体で機能するか)で決まります。境界に近い発注は、 顧問税理士に確認してから経理処理してください。
償却資産税は、持っている限り申告に載る
事務机・椅子・キャビネットは有形の器具備品なので、少額特例で全額を落とした資産も、通常償却する資産も、償却資産税(固定資産税)の課税対象です。 対象外になるのは、10万円未満で損金経理したものと一括償却資産だけです(地方税法第341条第4号・地方税法施行令第49条)。
同一市町村内の課税標準となるべき額の合計が150万円未満なら課税されない免税点があります(令和9年度分からは180万円未満)。 ただし課税されないだけで申告義務はあり、毎年1月1日現在の資産を原則として1月31日まで(その日が土日祝に当たる年は翌開庁日)に申告します。 しかも耐用年数(主として金属製15年・その他8年)を過ぎても、事業の用に供することができる限り申告の対象から外れません。 減価償却が済んだ後も評価額は取得価額の5%が下限として残り続けます(東京都主税局)。 一度載せると長く付き合う台帳なので、10万円以上20万円未満の帯で一括償却資産(申告の対象外)を選ぶかどうかは、 この長さと合わせて考える場所です。分岐の詳細は一括償却資産と少額特例の比較にあります。
ここで間違える
「木の天板だから8年」で決めない
耐用年数表の材質区分はフレームその他の主要構造部分で見ます。天板だけが木でも、脚と骨組みがスチールなら 金属製側に当たりうる、というのが通達の基準です。逆に木製の机にスチールの脚金具が付いているだけなら、主要構造部分は木です。 発注時のカタログや仕様書に材質が書かれているので、購買記録と一緒に残しておくと、後から年数を説明できます。
同じ注文に入っているから合算、ではない
判定単位は「通常1単位として取引される単位」です。単体で流通し単体で機能する机と椅子は、同じ注文にまとめて入っていても、 机は机・椅子は椅子で1個ごとに判定します(上の表の3行目の裏返しで、同じ机を10台買っても1台ごとです)。 決めるのは注文書の形ではなく取引の実態です。1組で取引される応接セットの扱いは応接セットの判定表にあります。
40万円を超えた事務机には、逃げ道がない
40万円という数字は2つの制度で逆向きに使われています。少額特例は40万円未満、中小企業経営強化税制の器具備品は40万円以上。 しかし経営強化税制の対象は生産等設備に限られ、事務用器具備品は対象外と国税庁が明記しています。 40万円以上の事務机やキャビネットは通常償却しかなく、金属製なら15年です。詳しくは 経営強化税制が届かない範囲で整理しています。
金額の帯に合わせて探す
価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認し、税抜か税込かは会社の消費税の経理方式に合わせて判定してください。
- オフィスデスク・事務机(40万円未満) 中小企業者等なら少額特例で初年度に落とせる帯。主として金属製なら15年・その他は8年の資産を、初年度で完結させられる
- スチールキャビネット・書庫(20万円未満) 一括償却資産(償却資産税の対象外)と少額特例(全額損金)のどちらも選べる帯。15年の資産を申告に載せるかどうかの分かれ目
- オフィスチェア・事務椅子(10万円未満) 1脚ごとに判定して全額を費用処理できる帯。事業の用に供した年度に損金経理するのが条件
- デスク+チェアのセット商品 1組で取引される商品は1組の合計額で見る余地がある。金額の線をまたぐかどうかは、単体ではなく組で確かめる
15年か8年か、1個か1組かは、買ったときの情報で決まります。Amazonビジネス(登録無料)にすると 購買履歴が一元化され、見積書の発行や請求書払いも使えます。何をどの単位でいつ買ったかが残るので、 後から材質や判定単位を説明する手間が減ります。
※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは 支払方法によって扱いが異なるため、経理処理の前に自社の要件で確認してください。
出典
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索) ― 別表第一 器具及び備品「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」:事務机、事務いす及びキャビネット/主として金属製のもの15年・その他のもの8年。会議テーブルの細目は無い
- 耐用年数(器具・備品)(国税庁 確定申告書等作成コーナー) ― 事務机、事務いす、キャビネット 主として金属製のもの15年/その他のもの8年
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 2-7-2(国税庁) ―「主として金属製のもの」の判定はフレームその他の主要構造部分の材質による
- 法人税基本通達 7-1-11(国税庁) ― 10万円未満・20万円未満の判定単位:通常1単位として取引される単位、器具及び備品は1個、1組又は1そろいごと
- 租税特別措置法関係通達(法人税編)67の5-2(国税庁) ― 少額特例の40万円未満の判定単位:通常1単位として取引される単位、器具及び備品は1個、1組又は1そろいごと(平19年課法2-3「五十三」、令8年課法2-9「三十五」により追加)
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 ― 10万円未満の全額損金(損金経理・事業供用年度)、20万円未満の一括償却資産、応接セットは1組で判定する例示、貸付用資産の除外
- 租税特別措置法 第67条の5(e-Gov法令検索) ― 少額減価償却資産の特例:40万円未満、年300万円、損金経理、令和11年3月31日まで、通算法人・適用除外事業者の除外
- 令和8年度税制改正の大綱 三(財務省) ― 少額減価償却資産の特例:取得価額40万円未満への引き上げ、常時使用する従業員400人超の法人の除外/中小企業経営強化税制:工具及び器具備品の取得価額要件を40万円以上(現行30万円以上)に引き上げ
- 国税庁 タックスアンサー No.5434 ― 中小企業経営強化税制の対象は生産等設備に限られ、事務用器具備品は該当しない(2026-09-05 時点のページは工具・器具備品の取得価額要件を改正前の30万円以上で表示。40万円以上への引き上げは上の大綱 三が根拠)
- 固定資産税(償却資産)(東京都主税局) ― 古い資産で減価償却済みであっても事業の用に供することができる場合は申告の対象、評価額は取得価額の5%が下限、1月1日現在の資産を1月31日までに申告
- 地方税法(e-Gov法令検索) ― 第341条第4号(償却資産の定義)、第351条(免税点150万円)、第383条(1月1日現在の資産を1月31日までに申告)
- 地方税法施行令 第49条(e-Gov法令検索) ― 10万円未満で損金経理したものと一括償却資産を償却資産から除外
- 令和8年度税制改正の大綱 七(財務省) ― 償却資産に係る固定資産税の免税点を180万円に引き上げ(令和9年度以後の年度分から)
この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の資産について税務上の判断を示すものではありません。 主要構造部分をどう見るか、机と椅子を1組と見るか、中小企業者等に当たるか、消費税の経理方式は、会社と商品によって結論が変わります。 また「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という取得時期の区分は改正法の附則によるもので、当サイトではその原文を確認できていません。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。