広告について:当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者として、適格販売により収入を得ています。 掲載しているリンクは広告リンクです。
スマートフォンとタブレットは、
耐用年数表に名前が無い
電子計算機(4年・5年)か、電話設備その他の通信機器(10年)か ― 名前ではなく構造と用途で当てはめます。金額の線は10万・20万・40万円。
1台の取得価額が10万円未満なら全額損金、20万円未満なら一括償却資産(3年均等)、40万円未満なら中小企業者等に限り少額特例(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)で初年度に落とせます。それを超えて通常償却するとき、耐用年数表にスマートフォン・タブレットの行は無く、電子計算機(パーソナルコンピュータ4年・その他5年)と電話設備その他の通信機器(その他のもの10年)のどちらに当てはめるかは構造と用途で判断します。
減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一に、「スマートフォン」「タブレット」「携帯電話」という品目名はありません。
候補は「電子計算機」の4年・5年と、「電話設備その他の通信機器」の10年。
倍以上違いますが、どちらに当たるかを名指しした国税庁の通達・タックスアンサーは確認できていません。
当サイトでは年数を断定しません。
金額の線 ― タブレット・スマートフォン1台で起きること
金額の線そのものは他の備品と同じです。制度の中身は 10万・20万・40万の判定表と 一括償却資産と少額特例の比較に任せ、 ここではこの品目で何が起きるかだけを並べます。
| 1台の取得価額 | 使える処理 | この品目で起きること | 償却資産税 |
|---|---|---|---|
| 10万円未満 | 全額を費用処理(全ての企業)/一括償却資産/通常償却 10万円未満の資産と一括償却資産に少額特例は使えません |
事業供用した事業年度に損金経理が条件。台数が多い品目なので、資産計上したまま期をまたがないこと | 対象外 損金経理した場合 |
| 10万円以上 20万円未満 |
一括償却資産(全ての企業)/少額特例(中小企業者等) | 初年度に全額落とすか、3年均等で償却資産税の申告対象から外すかを選ぶ帯。耐用年数の当てはめはどちらでも要らない | 一括償却なら対象外 少額特例なら対象 |
| 20万円以上 40万円未満 |
少額特例(中小企業者等のみ)/通常償却 | 中小企業者等でなければ通常償却になり、ここで初めて耐用年数の当てはめが要る。少額特例は年300万円まで | 対象 |
| 40万円以上 | 通常償却のみ | 電子計算機(4年・5年)か通信機器(10年)かで償却期間が倍以上変わる。区分の記録を購買時に残す | 対象 |
※ 40万円未満は令和8年4月1日以後に取得した資産から。3月31日以前の取得は30万円未満が基準です。
この取得時期の区分は改正法の附則(経過措置)によるもので、当サイトでは原文を確認できていません。3月末をまたぐ取得は顧問税理士にご確認ください。
※ 少額特例には除外要件があります。通算法人・適用除外事業者は使えず、経営強化税制E類型に係る計画に記載された資産も対象外です。損金経理と適用額明細書の添付が要件で、年300万円の枠があります。「中小企業者等」に当たるかどうかの条件は10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、10万円未満・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
耐用年数 ― 表に無いので、候補を並べる
別表第一「器具及び備品」の「2 事務機器及び通信機器」で、スマートフォン・タブレットに近い行は次の3つです。 どれに当たるかは表に書かれていません。
| 別表第一の区分 | 細目 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 電子計算機 | パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く。) | 4年 |
| 電子計算機 | その他のもの | 5年 |
| 電話設備その他の通信機器 | その他のもの | 10年 |
当てはめの拠り所になるのは、国税庁の耐用年数通達にある次の3つの記述です。
- 電子計算機の定義(通達2-7-6):電子管式又は半導体式のもので、記憶装置、演算装置、制御装置及び入出力装置からなる計算機をいう。
- 2以上の用途に共用される資産(通達1-1-1):使用目的・使用状況等から合理的に判定し、その区分を継続して適用する。
- 細目が特掲されていない器具備品(通達1-1-9):構造・用途・使用状況が類似する特掲品目の耐用年数を、税務署長の確認を受けて適用できる。
つまり、演算・記憶・入出力を備えた機器という構造と、通話が主なのか業務アプリの端末として使うのかという買った時点の用途から当てはめる、というのが省令と通達1-1-9から読める枠組みです。1つの端末を通話と業務アプリの両方に使う場合は、使用目的・使用状況から合理的に判定して継続適用する、という通達1-1-1の考え方が近いものになります(1-1-1は用途によって異なる耐用年数が定められている資産を2以上の用途に共用しているときの取扱いなので、細目の当てはめそのものを定めたものではありません)。 スマートフォン・タブレットを名指しして「何年」と示した国税庁の一次情報は、2026年9月5日時点で確認できていません。 当サイトでは年数を断定せず、最終判断は顧問税理士へとしています。 中古で買った場合の簡便法は器具備品の耐用年数表の記事にまとめてあります。
判定単位と取得価額 ― 1台ごと、端末代金だけ
10万円・20万円の線は通常1単位として取引されるその単位ごとに判定し、器具及び備品は1個、1組又は1そろいごとと通達に書かれています。 スマートフォン・タブレットは1台で機能するので、10台まとめて発注しても判定は1台ごとです。 ただし本体・キーボード・ケースを1そろいとして取引した場合にどう見るかの例示は国税庁の記述にありません(例示があるのは応接セットとカーテンだけです)。 周辺機器を別注文で買えば別単位、というのが読める範囲です。
取得価額は購入代価と、その資産を事業の用に供するために直接要した費用の合計です(国税庁 No.5400)。 分割払いの契約で利息・手数料が区分して定められている場合、その利息・手数料は取得価額に含めないことができます。 通信契約とセットで契約すると端末代金と通信料が一つの請求に並ぶので、端末の購入代価がいくらかを契約書と請求明細で切り分けておくことが、この品目の判定の出発点になります。 なお、判定に使う金額はその会社の消費税の経理方式(税抜・税込)に従います。
償却資産税の扱い
この品目で効いてくるのは、紛失・破損・機種変更で期の途中に手放す台数が読めないことです。 少額特例か通常償却で資産計上したものは償却資産税(固定資産税)の申告対象になるので、端末が入れ替わるたびに取得と除却の両方を台帳に反映する手間が続きます。 一方、一括償却資産を選ぶと償却資産税の申告からは外れますが、3年間の均等償却の途中で除却しても除却損を計上できず、償却は3年続けることになります(法人税基本通達7-1-13)。 申告の手間を減らすか、失くしたときにその期で落とせるようにしておくかの選択になります。 制度そのものの比較は一括償却資産と少額特例の比較に、免税点や申告義務は 10万・20万・40万の判定表にまとめてあります。
※ 免税点は同一市町村内の課税標準となるべき額の合計で150万円未満(令和8年度税制改正の大綱に、令和9年度分から180万円未満とする案が盛り込まれています)。市町村の条例で例外が定められる場合があります。免税点未満でも申告義務はあります(賦課期日1月1日・申告期限1月31日)。
ここで間違える
「電話だから通信機器」「画面が大きいから電子計算機」と反射で決めない
耐用年数表に「スマートフォン」「タブレット」の行は無く、それを名指しした通達やタックスアンサーも確認できていません。 名前ではなく、演算・記憶・入出力を備えるか(構造)と、その端末が何をする機器として買われたか(用途)で当てはめます。 1つの端末を通話と業務アプリの両方に使うなら、使用目的・使用状況から合理的に判定して継続適用する、という通達1-1-1の考え方が近いものになります。表に無い品目は税務署長の確認を受けて類似品目の年数を適用できる枠組みもあります。
4年と10年では、同じ端末の償却期間が倍以上変わります。年数を断定せず、区分の根拠を記録に残したうえで顧問税理士に確認してください。
通信契約とセットで買うと、取得価額がどこまでかが見えにくい
取得価額に入るのは端末の購入代価と事業供用のために直接要した費用です。分割払いの契約で区分された利息・手数料は含めないことができます。 月々の請求に端末代金と通信料が並ぶ形だと、10万円・20万円・40万円の線を引く元の金額があいまいになります。
通信サービスの利用料そのものの扱いを名指しした一次情報は確認できていません。契約書で端末代金を切り分け、扱いは顧問税理士に確認してください。
10万円未満は「買った期に損金経理」でないと落とせない
10万円未満の全額損金は、事業の用に供した事業年度に損金経理した場合に限られます。 いったん資産に計上したものを、後の事業年度でまとめて損金経理しても損金にはなりません。
台数が多くなりやすい品目です。期末に納品されて箱のまま残っていないか、資産計上したまま放置されていないかを決算前に確認してください。
金額の線に収まりやすい端末
この品目は金額の線をまたぎやすく、線を1つ越えるだけで処理の選択肢が変わります。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。
- 10万円未満のタブレット 損金経理すれば全額費用、償却資産税の申告対象外。耐用年数の当てはめが要らない帯
- 20万円未満のSIMフリースマートフォン 端末を単体で買えば購入代価がそのまま取得価額。一括償却資産か少額特例かを選ぶ帯
- 40万円未満の業務用・耐衝撃タブレット 中小企業者等なら少額特例で初年度に完結。それ以外は通常償却になり、区分の当てはめが要る
- タブレット用キーボード・ケース 本体と別注文なら別単位。1そろいで取引した場合の扱いは例示が無いので、まとめ買いの前に確認
取得価額の判定は端末の購入代価がいくらかから始まります。Amazonビジネス(登録無料)で端末を単体購入すると、 見積書・請求書払い・購買履歴の一元管理が使え、通信契約と混ざらない形で購入代価が残ります。 複数担当者アカウントで、誰が何台買ったかも追えます。
※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは 支払方法によって扱いが異なるため、経理処理の前に自社の要件で確認してください。
出典
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索) ― 別表第一「器具及び備品」「2 事務機器及び通信機器」:電子計算機(パーソナルコンピュータ4年/その他のもの5年)、電話設備その他の通信機器(その他のもの10年)。スマートフォン・タブレット・携帯電話の品目名が無いこと
- 耐用年数(器具・備品)(国税庁) ― 同じ区分・年数の国税庁掲載版
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 2-7-6(国税庁) ― 電子計算機の定義(記憶装置、演算装置、制御装置及び入出力装置からなる計算機)
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 1-1-1・1-1-9(国税庁) ― 2以上の用途に共用される資産の判定と継続適用(1-1-1)、細目が特掲されていない器具備品は税務署長の確認を受けて類似品目の年数を適用できること(1-1-9)
- 国税庁 タックスアンサー No.5400 ― 減価償却資産の取得価額(購入代価と事業供用のために直接要した費用の合計、契約で区分された割賦の利息・手数料は含めないことができる)
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 ― 10万円未満の全額損金(事業供用年度の損金経理が条件、資産計上後の年度では不可)、20万円未満の一括償却資産、通常1単位として取引される単位ごとの判定、貸付用資産の除外
- 法人税基本通達 7-1-11(国税庁) ― 器具及び備品は1個、1組又は1そろいごとに判定すること
- 消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて(国税庁) ― 少額の減価償却資産・一括償却資産の取得価額が金額基準を満たすかどうかは、その法人が適用している消費税の経理方式(税抜経理・税込経理)による金額で判定すること
- 一括償却資産を除却した場合の取扱い(国税庁 質疑応答事例) ― 一括償却資産の全部又は一部を除却しても、損金算入できるのは政令の損金算入限度額までで、除却した期に未償却残額を一時に損金にすることはできないこと(法人税基本通達7-1-13)
- 国税庁 タックスアンサー No.5404 ― 中古資産の耐用年数(簡便法)
- 租税特別措置法 第67条の5(e-Gov法令検索) ― 少額減価償却資産の特例(40万円未満、年300万円、損金経理、令和11年3月31日まで)
- 令和8年度税制改正の大綱 三(財務省) ― 40万円未満への引き上げ、従業員400人超の法人の除外
- 地方税法(e-Gov法令検索) ― 第341条第4号(償却資産の定義)、第351条(免税点150万円)、第383条(申告義務・1月31日)
- 地方税法施行令 第49条(e-Gov法令検索) ― 損金経理した10万円未満と一括償却資産が償却資産から除かれること
- 令和8年度税制改正の大綱 七(財務省) ― 償却資産の免税点を180万円に引き上げ(令和9年度分から)
この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の端末について税務上の判断を示すものではありません。 スマートフォン・タブレットを電子計算機と通信機器のどちらに当てはめるか、取得価額の範囲、判定単位、 中小企業者等に当たるかどうかは、契約の形と使い方によって結論が変わります。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。