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複合機・レーザープリンターは、
買い切りなら耐用年数5年
10万・20万・40万の判定表 ― 複写機は別表第一「事務機器及び通信機器」で5年。40万円未満なら中小企業者等は初年度で終わります。
複合機・コピー機は耐用年数表(別表第一)の「複写機…その他これらに類するもの」で5年、レーザープリンターは表に直接の記載がなく「その他の事務機器」5年に当てはめるのが国税庁の質疑応答事例の整理です。買い切りで取得価額が40万円未満(令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満)なら中小企業者等は少額特例で初年度に全額を損金にでき、40万円以上なら5年で償却します。リースの場合は扱いが別です。
金額の帯ごとに、複合機で起きること
複合機は、A4のモノクロ機からA3のカラー機まで帯の幅が広い品目です。 同じ「プリンター」の稟議でも、金額で処理がまったく変わります。閾値そのものの説明は 10万・20万・40万の判定表に任せ、ここでは複合機で起きることだけ並べます。
| 取得価額(1単位) | 中小企業者等 | それ以外の法人 | 償却資産税 |
|---|---|---|---|
| 10万円未満 | 全額を費用処理 損金経理した事業年度に限る |
全額を費用処理 | 対象外 |
| 10万円以上 20万円未満 |
一括償却資産(3年均等) または少額特例(全額) |
一括償却資産(3年均等) | 一括償却なら対象外 少額特例なら対象 |
| 20万円以上 40万円未満 |
少額特例で初年度に全額 年300万円まで・損金経理。令和8年4月1日以後の取得。3月31日以前は30万円未満 |
通常償却(5年) | 対象 |
| 40万円以上 | 通常償却(5年) | 通常償却(5年) | 対象 |
※ 令和4年4月1日以後に取得した貸付用の資産(主要な事業として行う貸付けを除く)は、全額費用処理・一括償却資産・少額特例のいずれからも除かれます。
※ 20万円未満の帯で一括償却資産と少額特例のどちらを選ぶかは、20万円未満で得なのはどっちかを参照してください。
※ 「令和8年4月1日以後に取得したものから40万円未満」という区分も、令和8年3月31日法律第12号の附則第1条(令和8年4月1日から施行)と附則第65条(施行日以後に取得した少額減価償却資産に新法を適用し、施行日前の取得は従前の例による)で確認しました。詳しくは判定表の注記を参照してください。
複写機は5年 ― 別表第一「事務機器及び通信機器」
耐用年数表(減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一)の「器具及び備品」のうち、 「2 事務機器及び通信機器」に次の細目があります。
| 別表第一の細目(該当する行を抜粋) | 耐用年数 |
|---|---|
| 複写機、計算機(電子計算機を除く。)、金銭登録機、タイムレコーダーその他これらに類するもの | 5年 |
| テレタイプライター及びファクシミリ | 5年 |
| その他の事務機器 | 5年 |
コピー機は「複写機」そのもので5年です。一方、「プリンター」「レーザープリンター」「複合機」という語は表にありません。 国税庁のLAN設備に関する質疑応答事例は、プリンターを「器具及び備品」「事務機器及び通信機器」「その他の事務機器」に位置づけています。 その「その他の事務機器」は、現行の別表第一で5年です。 コピー・プリント・FAXを兼ねる複合機は、複写機・ファクシミリ・その他の事務機器のどれで見ても5年なので、年数の結論は動きません。 ただし、どの細目に当てはめたかは固定資産台帳に残る情報です。細目が特掲されていない資産は、構造・用途が類似する品目の年数を 税務署長の確認を受けて適用できるという通達の枠組みもあります。当てはめの最終判断は顧問税理士にご確認ください。
他の器具備品の年数は器具備品の耐用年数表にまとめています。 なお、少額特例は事業の用に供した日を含む事業年度に損金経理することが要件です(租税特別措置法第67条の5第1項)。 基準になるのは納品日ではありません。
判定単位 ― 本体と増設トレイ・フィニッシャーは一式か
10万円未満・20万円未満の判定は「通常1単位として取引されるその単位」ごとに行い、器具及び備品は 「1個、1組又は1そろいごと」に判定します。応接セットはテーブルと椅子の1組、カーテンは部屋ごとの合計額、というのが国税庁の例示です。
複合機に当てはめると、本体だけで機能するものは1台ごと。一方、増設給紙トレイやフィニッシャーのように本体に組み込んで初めて機能する構成品は、 本体と「1そろい」として扱われる可能性があります。見積書で本体とオプションが行分けされていても、それだけで単位が分かれるわけではありません。 何を1そろいと見るかは取引の実態で決まるため、複数台・オプション付きの発注では、判定単位を先に顧問税理士と揃えておくのが安全です。
※ 10万円未満・20万円未満の判定は法人税基本通達7-1-11が、少額特例(40万円未満)の判定は租税特別措置法関係通達67の5-2が、同じ「通常1単位として取引されるその単位」「1個、1組又は1そろいごと」の文言で定めています。本体とオプションを1そろいと見るかを名指しした例示はありません。
償却資産税 ― 買い切りとリースで違うところ
複合機は有形の器具備品なので、少額特例で落とした分も通常償却する分も償却資産税(固定資産税)の申告対象です。 対象外になるのは、一括償却資産を選んだものと、10万円未満で損金経理したものです (このほか無形減価償却資産と、所有者の取得価額が20万円未満のリース資産が除かれます)。 同一市町村内の課税標準額の合計が150万円未満なら課税されない免税点があります (令和9年度分からは180万円未満。ただし市町村の条例で例外が定められる場合があります)が、 免税点未満でも申告そのものは必要で、賦課期日1月1日・申告期限1月31日です。
※ 免税点の180万円への引き上げは、令和8年法律第2号による改正後の地方税法351条で確認しています(令和9年4月1日施行。同法の附則により令和9年度分から適用)。
リースの場合は、契約の種類で税務上の扱いが分かれます。主な違いは次の3点です。
| 論点 | 買い切り | リース(所有権移転外リース取引) |
|---|---|---|
| 償却方法 | 耐用年数5年で通常償却 40万円未満なら少額特例も可 | 賃借人はリース期間定額法で償却 |
| 少額特例 | 中小企業者等は40万円未満で可 | 賃借人が取得したとされる資産も対象になる |
| 償却資産税 | 少額特例・通常償却は対象 | 申告するのは原則として所有者=リース会社。所有権移転外リースでは賃借人に申告義務はない 除外の線も、所有者の取得価額が20万円未満かどうかで見る |
※ 契約の分類やリース料の会計処理、リース会社側の申告の詳細はこの記事の範囲外です(リース期間の終了時に買い取った場合だけ、下の「ここで間違える」で扱います)。契約書の内容とあわせて顧問税理士にご確認ください。
ここで間違える
「複合機」「プリンター」の名前では表を引けない
別表第一にあるのは「複写機」「ファクシミリ」「その他の事務機器」で、「複合機」「レーザープリンター」という語はありません。 候補は3つあり、いずれも5年なので年数は変わりませんが、固定資産台帳には細目名が残ります。 「複合機・5年」とだけ書いて根拠の細目を残していないと、後から見た人が判断をやり直すことになります。
本体価格だけで10万・20万・40万の線を見ない
減価償却資産の取得価額は、購入の代価に引取運賃・荷役費・購入手数料などを加え、さらに事業の用に供するために直接要した費用を足した金額です(法人税法施行令第54条)。 搬入・据付・初期設定の費用が別立てで請求されていても、判定に使う金額から外れるとは限りません。 本体が39万円台でも、付随費用を足すと40万円以上になる、ということが起きます。
法人税法上のリース取引で借りた複合機を満了時に買い取ったら、中古資産の簡便法ではなく、リース中の取得価額に購入代価を足す
法人税法上のリース取引(中途解約できず(これに準ずるものを含む)、借り手が資産からもたらされる経済的な利益を実質的に受け、使用に伴う費用も実質的に負う賃貸借。法人税法64条の2第3項)で借りていた複合機をリース期間の終了時に買い取った場合は、購入の直前の取得価額に購入代価を加えた金額が取得価額になります(法人税基本通達7-6の2-10)。 リース料を毎月の賃借料として処理してきた会社でも、税務上のリース資産の取得価額は原則としてリース期間中のリース料の合計額です(同7-6の2-9)。買い取ったときの購入代価は、この取得価額に足して償却します。このため、購入代価だけを別の資産として10万円・20万円・40万円の線に当てることはしないと解されます(金額の線は、資産を事業の用に供した日の属する事業年度で見るもので、リースの資産ならリース開始時(引渡しを受けて使い始めた時)が目安です。所有権移転外リース取引で取得したとされる資産は、10万円・20万円の線からは除かれています。法人税法施行令133条・133条の2、租税特別措置法67条の5第1項)。 上の表の所有権移転外リース取引だった場合、その後の償却は、会社がほかの器具備品に使っている償却方法で分かれます。
- 定率法の会社:同じ区分の法定耐用年数(複写機なら5年)の償却率で計算します。
- 定額法の会社:購入の直前の帳簿価額に購入代価を加えた金額を取得価額とみなし、法定耐用年数からリース期間を引いた年数(1年未満の端数は切り捨て、2年未満なら2年)の償却率で計算します。5年のリースが終わってから買い取ったなら2年です。
所有権移転リース取引(所有権移転外リース取引に当たらないリース取引)だった場合も、取得価額は同じく購入代価を足した金額で、償却はそれまでの方法をそのまま続けます。 中古資産の簡便法(法定耐用年数の全部を経過していれば法定耐用年数×20%、2年未満なら2年。算定は事業の用に供した事業年度に限る)の対象になりうるのは、法人税法上のリース取引に当たらない賃貸借で借りていた物を買い取った場合です。
※ 契約で、資産が無償か名目的な対価で譲渡されると定められていたリースや、著しく有利な価額で買い取る権利が与えられていたリースは、この通達の対象から除かれています。契約がどの種類に当たるかは契約書で確かめ、顧問税理士にご確認ください。
トナー・ドラムユニットなどの消耗品は減価償却資産ではありません。ただし期末に使い切っていない分は原則として 貯蔵品(資産)に計上します。まとめ買いしたときの扱いは 消耗品費と貯蔵品の判定表で扱っています。
帯ごとに探す
買い切りなら、金額の線がそのまま処理の線になります。価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してから判定してください。 金額の絞り込みは本体価格で効くので、付随費用は別途足して見てください。
- 業務用複合機・レーザープリンター(40万円未満) 20万円以上40万円未満なら、中小企業者等は少額特例で初年度に全額損金にできる(令和8年4月1日以後の取得。年300万円の枠と損金経理が条件)。それ以外の法人は5年で通常償却
- A3カラーレーザー複合機(20万円未満) 10万円以上なら、一括償却資産(償却資産税の対象外)か、中小企業者等は少額特例(初年度に完結)かを選ぶ帯。10万円未満は損金経理で全額費用
- A4モノクロレーザープリンター(10万円未満) 損金経理した事業年度に全額費用処理。償却資産税の対象外
- 業務用コピー機・複合機(金額を絞らない) 40万円以上は通常償却5年。買い切りかリースかで、この記事の表のどちら側になるかが決まる
Amazonの通常アカウントでは見積書を出せません。Amazonビジネス(登録無料)にすると、 見積書の発行、請求書払い、購買履歴の一元管理、複数担当者アカウントの発行ができます。 本体とオプションを何台・いつ買ったかが残るので、判定単位や取得価額を後から確かめる手間が減ります。
※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは、 販売元がAmazon.co.jpか、出品者が適格請求書発行事業者として登録番号をAmazonに登録しているかによります。
出典
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索) ― 別表第一「器具及び備品」の「2 事務機器及び通信機器」:複写機、計算機(電子計算機を除く。)、金銭登録機、タイムレコーダーその他これらに類するもの=5年、テレタイプライター及びファクシミリ=5年、その他の事務機器=5年。第3条(中古資産の簡便法)
- 法人税法 第64条の2(e-Gov法令検索) ― リース取引は、賃貸人から賃借人への引渡しの時にリース資産の売買があったものとして所得の金額を計算すること。リース取引とは、中途解約できない(これに準ずるものを含む)賃貸借で、賃借人が資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受し、使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているもの(第3項)
- 法人税基本通達 7-6の2-9・7-6の2-10(国税庁) ― 賃借人がリース期間終了の時にリース資産を購入した場合は、購入の直前の取得価額に購入代価を加算した金額を取得価額とする。所有権移転外リース取引だった場合、定率法なら同じ資産区分の耐用年数の償却率、定額法なら購入の直前の帳簿価額+購入代価を取得価額とみなし、耐用年数からリース期間を控除した年数(1年未満の端数は切り捨て、2年未満は2年)で償却する。所有権移転リース取引だった場合は、引き続きそれまでの償却の方法による。リース期間の終了時か中途に資産が無償か名目的な対価で譲渡されるもの、著しく有利な価額で買い取る権利が与えられているもの等は除く(同通達の括弧書き、法人税法施行令48条の2第5項第5号イ・ロ)。賃借人におけるリース資産の取得価額は、原則としてリース期間中のリース料の額の合計額(7-6の2-9)
- LAN設備の耐用年数の取扱いに関する質疑応答事例(国税庁) ― プリンターを「器具及び備品」「事務機器及び通信機器」「その他の事務機器」に位置づける整理(廃止された旧通達の注の表。区分の当てはめとして引用)
- 耐用年数の適用等に関する取扱通達 1-1-9(国税庁) ― 細目が特掲されていない資産は、類似する特掲品目の耐用年数を税務署長の確認を受けて適用できる
- 国税庁 タックスアンサー No.5403 ― 10万円未満の全額損金(損金経理した事業年度に限る)、20万円未満の一括償却資産、判定単位「通常1単位として取引されるその単位」、応接セット・カーテンの例示、貸付用資産の除外
- 法人税基本通達 7-1-11(国税庁) ― 器具及び備品は「1個、1組又は1そろいごと」に判定
- 租税特別措置法関係通達(法人税編)67の5-2(国税庁) ― 少額特例の40万円未満の判定も「通常1単位として取引されるその単位」「1個、1組又は1そろいごと」で行う
- 租税特別措置法 第67条の5(e-Gov法令検索) ― 少額減価償却資産の特例:取得価額40万円未満、年300万円、損金経理、令和11年3月31日まで
- 令和8年度税制改正の大綱 三(財務省) ― 40万円未満への引き上げ、従業員400人超の法人の除外
- 国税庁 タックスアンサー No.5408 ― 所有権移転外リース取引で賃借人が取得したとされる資産・中古資産も少額特例の対象、貸付用資産の除外。 2026年9月24日時点でも改正前(30万円未満・従業員500人以下)の内容が表示されています
- 国税庁 タックスアンサー No.5704 ― 所有権移転外リース取引に係るリース資産の償却方法はリース期間定額法
- 法人税法施行令 第54条(e-Gov法令検索) ― 購入した減価償却資産の取得価額:購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他購入のために要した費用を加算)+事業の用に供するために直接要した費用
- 法人税法施行令 第133条・第133条の2・第48条の2第5項第4号(e-Gov法令検索) ― 10万円未満の損金算入(133条)と20万円未満の一括償却(133条の2)は、第48条の2第1項第6号に掲げる資産(リース期間定額法で償却するリース資産)を除く。リース資産とは、所有権移転外リース取引で賃借人が取得したものとされる減価償却資産(48条の2第5項第4号)。どちらも事業の用に供した事業年度で判定する
- 国税庁 タックスアンサー No.5404 ― 中古資産の耐用年数:簡便法(全部経過なら法定耐用年数×20%)、2年未満は2年、算定は事業供用した事業年度に限る
- 地方税法(e-Gov法令検索) ― 第341条第4号(償却資産の定義。無形減価償却資産は含まない)、第351条(免税点150万円。令和8年法律第2号による改正後の同条(令和9年4月1日施行・令和9年度分から適用)は180万円。ただし書により、財政上その他特別の必要がある場合は市町村の条例の定めにより課することができる)、第383条(申告義務・1月31日)
- 地方税法施行令 第49条(e-Gov法令検索) ― 損金経理した10万円未満・一括償却資産の除外、リース資産は「所有者が取得した際における取得価額」が20万円未満のものが除外の線
- 令和8年度税制改正の大綱 七(財務省) ― 償却資産の免税点を180万円に引き上げ(令和9年度以後の年度分から)
- 固定資産税(償却資産)(東京都主税局) ― 賦課期日1月1日・申告期限1月31日、リース資産の所有者は原則としてリース会社、取得価額20万円未満のリース資産は申告対象外
この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の取引について税務上の判断を示すものではありません。 複合機がどの細目に当たるか、本体とオプションを一式と見るか、取得価額に含める付随費用の範囲、リース契約の分類、 償却資産税の申告範囲は、会社と契約の状況によって結論が変わります。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。
次に見る判定表
- まとめ買いした文具は期末に資産へ戻るのか ― 消耗品費と貯蔵品の判定表期末の未使用分は原則として貯蔵品です。ただし毎年おおむね一定数量を取得して経常的に消費するものは、継続適用を条件に買った期の損金にできます。
- その修理は費用か資産か ― 修繕費と資本的支出の判定表20万円未満、おおむね3年以内の周期、区分が不明なら60万円未満か前期末取得価額の10%以下。3本の線を上から順に当てていく形にまとめました。
- 40万円以上になったら次に見るのは耐用年数 ― 器具備品の年数表事務机は金属製なら15年、それ以外は8年。パソコンは4年でサーバー用は5年。品目名ではなく構造と用途で決まります。中古で買った場合の簡便法も。