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Amazonの領収書は宛名なしでも使える。
会社名を載せたいならビジネスアカウント
個人アカウントと法人アカウントで出方はどう違うか/再発行/適格請求書(インボイス)の要件/出品者の登録番号 ― Amazon公式と国税庁の記載だけで1枚に。
Amazonの領収書・適格請求書は、商品の発送後に注文履歴から何度でも再発行できます(郵送・社判なし)。宛名がなくても、売手の登録番号が印字されていれば、国税庁の整理では簡易インボイス(適格簡易請求書)に当たる場合があります。会社名入りの適格請求書が要るなら、Amazonビジネスのビジネスアカウントに登録した会社名で発行され、修正はメール対応です。マーケットプレイス出品者の商品は、出品者が登録番号をAmazonに登録している場合だけ適格請求書になり、そうでなければ「支払い明細書」で控除には使えません。
個人アカウントとビジネスアカウントで、領収書の出方はどう違うか
「Amazonで買ったものの領収書に会社名が入っていない」で止まる人が多いのですが、詰まる場所は宛名ではなく、 その書類が適格請求書(インボイス)として使えるかです。先に、アカウントの種類ごとに何が出るかを1枚にします。
| 項目 | 個人アカウント | Amazonビジネス(ビジネスアカウント) |
|---|---|---|
| 領収書の取り方 | 注文履歴 → 領収書等 → 領収書/購入明細書 | 同じ。加えて「購買データ」から一括ダウンロードできる |
| 出るタイミング | 商品の発送後。発送前は閲覧・印刷できない | 同じ(発送後) |
| 会社名(宛名) | 指定する機能の記載なし ヘルプに宛名の入力・変更の案内が見当たらない(当サイト確認) |
登録した会社名で発行 適格請求書の会社名・請求先住所はビジネスアカウントの設定に基づく |
| 宛名がない場合の扱い | 適格簡易請求書として使える(国税庁・Amazonヘルプとも) | 受取人の会社名または団体名が含まれていない書類は、適格簡易請求書として使える |
| 再発行 | 何度でも可。郵送・社判は不可 | 何度でも可。2回目以降は発行日が更新され「再発行」と表示される |
| 会社名・住所の修正 | ヘルプに記載なし | 依頼に応じてメールで修正。PDFの再発行はしない |
| 出品者が登録番号を持つかの確認 | 出品者に直接問い合わせる必要がある | 検索フィルタで適格請求書の「発行対象が含まれる商品」に絞り込める |
| 適格請求書の保管 | ヘルプに保管期間の記載なし | 発行日(発送日)から10年間Amazonに保管される |
| 請求書払いの場合 | ―(請求書払いはビジネスアカウントの機能) | 領収書は発行されず銀行振込控で代える。請求書はそのまま適格請求書として使える |
※ 個人アカウントで宛名を指定・変更できるかは、Amazon.co.jpのヘルプ「領収書」「領収書の印刷」に記載を確認できませんでした。当サイトでは「できる」とも「できない」とも書きません。
※ 「但し書き」を指定する機能についても、ヘルプに記載はありません。適格請求書の記載事項は「取引内容」であり、商品名が明細として載っていれば、但し書きという欄は要件ではありません(下の要件表)。
※ 印刷はPCサイトの注文履歴から行います。Amazonショッピングアプリからは領収書等を印刷できません。Amazonは領収書の郵送も社判の捺印も行いません(Amazon.co.jp・出品者いずれの発行分も同じ)。
支払方法で、領収書が出るか出ないかが決まる
宛名の前に、そもそも領収書が出ない支払方法があります。Amazonのヘルプは支払方法ごとに発行可否を分けています。
| 支払方法 | 領収書 | 適格請求書・購入明細書 |
|---|---|---|
| クレジットカード、携帯決済、あと払い(ペイディ)、PayPay、Amazonギフトカード、Amazonポイント など | 注文履歴で発行 | 注文履歴で確認できる |
| コンビニ払い、ATM払い、ネットバンキング払い、電子マネー払い | 各支払窓口の受領書を使う | 購入明細書とインボイス(適格請求書)は注文履歴で確認できる |
| 請求書払い(Amazonビジネス) | 銀行振込控で代える | 請求書払いの請求書をそのまま適格請求書として使える |
適格請求書(インボイス)として使えるかの要件 ― 国税庁の記載事項で照合する
宛名の有無で悩む前に、書類に何が要るかを国税庁の一次情報で押さえます。 タックスアンサー No.6625 は、相手方から交付を受ける適格請求書の記載事項を次の6項目としています。 国税庁は、請求書に限らず所定の事項が記載された書類であれば、領収書や納品書など名称を問わずインボイスになるとも案内しています。
| 記載事項(No.6625) | 適格請求書 | 適格簡易請求書 |
|---|---|---|
| ① 書類作成者の氏名または名称および登録番号 | 必要 | 必要 |
| ② 取引年月日 | 必要 | 必要 |
| ③ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨) | 必要 | 必要 |
| ④ 税率ごとに区分して合計した税込対価(または税抜対価)の額および適用税率 | 必要 | 合計額は必要。 税率は⑤とどちらか一方 |
| ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等 | 必要 | ④の適用税率とどちらか一方 |
| ⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称(宛名) | 必要 | 不要 |
※ 適格簡易請求書を交付できるのは、「不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う一定の事業」です(インボイスQ&A 問58)。小売業・飲食店業・タクシー等がこれに当たります(タックスアンサー No.6625 注1)。交付できる事業の範囲はインボイスQ&A 問24《適格簡易請求書の交付ができる事業》に挙げられています。
Amazonのヘルプは、受取人の会社名または団体名が含まれていない書類を「適格簡易請求書として使用できます」と説明しています。
※ 国税庁の特設ページは「受け取ったインボイスに宛名等の記載がなくても、不備ではなく簡易インボイスである場合がありますのでご注意ください」と案内しています。
※ 買手が仕入税額控除を受けるには、原則として売手のインボイス発行事業者からインボイスの交付を受けて保存する必要があります。簡易課税・2割特例を選んでいる場合はインボイスの保存が控除の要件になりませんが、所得税・法人税の観点では領収書等の保存が従来どおり必要です。
出品者(マーケットプレイス)の商品は、登録番号が出品者側で決まる
Amazon.co.jpで買った商品には、Amazon自身が販売するものと、マーケットプレイスの出品者が販売するものがあります。 領収書には出品者名が領収書発行者として印刷され、適格請求書になるかどうかは出品者が登録番号をAmazonに登録しているかで決まります。
| 販売元 | 出る書類 | 記載される登録番号 | 仕入税額控除 |
|---|---|---|---|
| Amazon.co.jp | 適格請求書 | Amazonの登録番号 T3040001028447 | 使える |
| 登録番号をAmazonに登録している出品者 | 適格請求書 | Amazonの登録番号(仲介者としての特例=媒介者交付特例)。参照用に出品者の登録番号も印字 | 使える |
| 登録番号をAmazonに提出していない出品者 | 支払い明細書 | ―(Amazonの番号も出品者の番号も使えない) | 原則使えない 経過措置あり(下記) |
| オンラインコード版ソフトウェアなど不課税の商品 | 適格請求書は発行されない | ― | ― |
※ 登録番号のない相手からの課税仕入れでも、経過措置により令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%、令和8年10月1日から令和11年9月30日までは50%を控除できます(国税庁)。適用には帳簿等の保存が要ります。
※ 表の「使える」は、Amazonのヘルプがその帳票を適格請求書として案内している、という意味です。Amazonは「お客様の消費税還付の適格性を評価することはできません」と明記しています。
※ 販売元と支払方法で出る帳票がどう変わるかの詳細は、Amazonの領収書がインボイスになる注文と、ならない注文にまとめています。
出品者の商品なのにAmazonの登録番号が印字されるのは、国税庁のインボイスQ&A 問48にある媒介者交付特例によるものです。 委託者(出品者)と受託者(Amazon)の双方が適格請求書発行事業者で、委託者が受託者に登録を受けている旨を取引前までに通知していれば、 受託者が自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書を委託者に代わって購入者に交付できます。 この場合、買手側の書類には受託者であるAmazonの登録番号が載るのが正しい形で、出品者の番号が主番号として載っていないことは不備ではありません。 なおAmazonの公式ブログは、ゲーム・PCソフトやKindle商品は別法人の販売のため登録番号が異なると説明しています。
ここで間違える
宛名がない領収書は不備ではない。適格簡易請求書として扱える
国税庁は、受け取ったインボイスに宛名等の記載がなくても不備ではなく簡易インボイスである場合があると案内しています。 適格簡易請求書は、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称の記載が不要で、税率ごとに区分した消費税額等または適用税率のいずれか一方の記載で足ります。 Amazonのヘルプも、適格請求書に受取人の会社名または団体名が含まれていない場合は、その書類を適格簡易請求書として使用できると説明しています。
「会社名が入っていないから経費にできない」として再購入や手書きの追記を求めると、手間が増えるだけでなく、受け取った書類に手を入れることになります。 まず、その書類が簡易インボイスの記載事項を満たしているかを見てください。
登録番号が印字されていても、控除に使えるのは「登録番号を持つ出品者」からの購入だけ
Amazonは、出品者の登録番号の有無に基づいて適格請求書または支払い明細書を発行します。 登録番号をAmazonに提出していない出品者からの注文には支払い明細書が発行され、Amazonの登録番号も出品者の登録番号も仕入税額控除には使えません。 Amazonビジネスのビジネスアカウントを除き、出品者が登録番号を持つかどうかを確認するには出品者に直接問い合わせる必要がある、とヘルプは説明しています。
ただし、登録番号のない相手からの課税仕入れがまったく控除できないわけではありません。国税庁の経過措置により、令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%、令和8年10月1日から令和11年9月30日までは50%を控除できます(帳簿等の保存が要件)。
「Amazonで買ったからインボイス対応」と一括りにすると、出品者経由の分だけ控除の根拠が抜けます。 書類の題名が「適格請求書」か「支払い明細書」かで仕分けるのが、いちばん早い見分け方です。
会社名の間違いは、PDFの再発行ではなくメールでの修正になる
Amazonビジネスでは、適格請求書の会社名と請求先住所の修正に依頼に応じて対応しますが、PDF形式での再発行には対応しません。 今後の注文に正しい適格請求書を発行するには、ビジネスアカウントの設定で詳細を更新する必要があります。 出品者の登録番号の誤りは、Amazonが出品者に確認したうえでメールで連絡し、最大21営業日かかります。
社名変更や移転のあとに設定を直し忘れると、以後の書類がすべて旧社名で出続けます。 修正は1件ずつのメール対応になるため、たまってから直すより、先に設定を更新するほうが手数が少なくて済みます。
個人アカウントでは、領収書に宛名を指定する機能の記載がヘルプにありません。 Amazonビジネス(登録は無料)のビジネスアカウントでは、適格請求書の会社名と請求先住所がアカウントの登録情報に基づいて発行され、 検索フィルタで適格請求書の「発行対象が含まれる商品」に絞り込めるため、出品者の登録番号を1件ずつ問い合わせる手間がなくなります。 適格請求書は発行日から10年間Amazonに保管され、購買データから一括でダウンロードできます。 個人アカウントとの違いの全体像は別の判定表にまとめています。
※ 登録後、Amazonが登録情報を確認します。すぐに確認できない場合は手動確認に最大3営業日かかることがあります。 請求書払いには別途審査があり、請求書払いでは領収書の代わりに銀行振込控を使います。
出典
- Amazon.co.jp ヘルプ「領収書」 ― 支払方法ごとの領収書の発行可否、出品者名が領収書発行者として印刷される、社判の捺印はしない、注文履歴の支払い明細書は経費報告書に使える正式な適格請求書(または区分記載請求書)、請求書払いは銀行振込控で代える
- Amazon.co.jp ヘルプ「領収書の印刷」 ― 注文履歴 → 領収書等 → 領収書/購入明細書の手順、何度でも再発行できる、Amazonビジネスでは2回目以降に「再発行」と表示、印刷・郵送は承っていない、アプリからは印刷不可
- Amazon.co.jp ヘルプ「領収書等が発行されるタイミングについて」 ― 領収書・適格請求書・支払い明細書は発送後に注文履歴に表示され、発送前は閲覧・印刷できない。アプリでは印刷できず、PCサイトの注文履歴から印刷する
- Amazon.co.jp ヘルプ「インボイス(適格請求書)について」 ― 適格請求書を印刷できる条件(販売元がAmazon.co.jp、または出品者が登録番号をAmazonに登録している)、ビジネスアカウント以外では出品者に直接問い合わせる、ビジネスアカウントに限り「発行対象が含まれる商品」で絞り込める
- Amazon.co.jp ヘルプ「Amazonビジネスの適格請求書の発行について」 ― 出品者の登録番号の有無で適格請求書か支払い明細書かが決まる、Amazonの登録番号 T3040001028447 を仲介者としての特別規定で使用、参照用に出品者の登録番号を印字、登録番号のない出品者の注文は控除に使えない、受取人の会社名または団体名がない書類は適格簡易請求書として使える、不課税商品には適格請求書を発行しない、発行日から10年間保管、購買データからダウンロード、請求書払いの請求書を適格請求書として使える
- Amazon.co.jp ヘルプ「適格請求書の修正」 ― 会社名・請求先住所の修正はメール対応でPDFの再発行はしない、今後の注文にはビジネスアカウントの設定を更新、出品者の登録番号の確認は最大21営業日
- Amazon.co.jp ヘルプ「ビジネスアカウントの使用を開始する」 ― ビジネスアカウントは無料で作成できる、登録後の確認は手動の場合に最大3営業日
- Amazon.co.jp ヘルプ「ビジネス分析」 ― 「注文書類の取得」から印刷可能な注文内容・最終見積書・請求書・クレジットノートを一括ダウンロードできる
- Amazonビジネス 公式ブログ(インボイス制度への対応) ― ゲーム・PCソフトやKindle商品は別法人のため登録番号が異なる
- 国税庁 タックスアンサー No.6625 適格請求書等の記載事項 ― 適格請求書の記載事項6項目、小売業等が交付する書類は④または⑤のいずれかでよく⑥は不要、媒介又は取次ぎを行う事業者から交付を受ける請求書等の記載事項
- 国税庁「インボイス制度について」 ― 名称を問わず所定の事項が記載されていればインボイスになる、宛名等の記載がなくても不備ではなく簡易インボイスである場合がある、仕入税額控除にはインボイスの交付と保存が原則必要、簡易課税・2割特例の場合の扱い
- 国税庁 インボイスQ&A 問48 媒介者交付特例 ― 委託者・受託者とも適格請求書発行事業者であること、委託者が登録を受けている旨を取引前までに通知していること、受託者が自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書を交付できること
- 国税庁 インボイスQ&A 問58 適格簡易請求書の記載事項 ― 適格簡易請求書は「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」が不要、「消費税額等」又は「適用税率」のいずれか一方でよい(交付できる事業の範囲は問24へ)
- 国税庁 インボイスQ&A 問113 免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置 ― 登録番号のない相手からの課税仕入れでも、令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%、令和8年10月1日から令和11年9月30日までは50%を控除できる、帳簿等の保存が要件
この記事の位置づけ:Amazon公式の記載と国税庁の一次情報に基づく一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の取引について税務上の判断を示すものではありません。 受け取った書類が適格請求書・適格簡易請求書のどちらに当たるか、簡易課税や2割特例を選んでいる場合の扱い、経費精算で宛名をどこまで求めるかは、会社の経理方式や社内規程によって結論が変わります。 実際の処理は顧問税理士にご確認ください。